研究課題/領域番号 |
22K07520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
打田 佑人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20834261)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 認知症 / MRI / QSM / 機械学習 / 認知機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
2019年度-2021年度の研究において、パーキンソン病を対象とした臨床画像研究により、脳内磁化率変化を定量的に計測することのできるQSMが、パーキンソン病に伴う認知機能障害の客観的バイオマーカーとして有用であることを明らかにした。一方で、個々の責任病巣・表現型は多様性を示すことから、集団を対象とした探索的解析や関心領域のみに基づいた従前の統計解析では、早期診断ツールとして活用する際に診断困難例が少なからず存在することが課題であった。2022年度より着手する本研究では、臨床情報に紐付いた全脳の磁化率変化を個別に登録し、機械学習による個別化医療への展開を念頭に置いた早期診断モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は,パーキンソン病に伴う認知症の早期診断モデル構築と,個別化医療への展開,その臨床応用を目指すものである.2019年度-2021年度において実施したパーキンソン病を対象とした臨床画像研究では、独自に開発したボクセルベース定量的磁化率画像解析(Mov Disord. 2019)を用いて,パーキンソン病に伴う認知機能障害を有する患者において,遂行機能を主体とする高次脳機能障害に関連する解剖学的脳領域を特定した(Mov Disord. 2020).2022年度からの本研究では,抽出した解剖学的脳領域の磁化率を学習データとして,機械学習によりパーキンソン病に伴う認知症の高精度な早期診断モデルを構築した(Parkinsonism Relat Disord. 2022).さらに,パーキンソン病に伴う認知症の白質障害に着目して,R2* Relaxometryと磁化率の情報から髄鞘の評価を可能にする画像解析法を新たに開発した(Neuroimage Clin. 2022).以上の研究成果を基に,日常臨床で問題となるアルツハイマー型認知症の定量的磁化率画像との異同について,総説に纏めた(Front Neurosci. 2022).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パーキンソン病に伴う認知症の早期診断モデル構築と個別化医療への展開,その臨床応用を目指す本研究において,着実に研究成果を報告できており,研究計画は順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
本研究で開発した画像解析法および早期診断モデルを日常臨床に応用する上で直面する課題として,神経変性疾患における混合病理の扱い方の問題が挙げられる.即ち,機械学習の正誤問題を設定する際,特にアルツハイマー病との混合病理を有する症例を含めるか含めないかにより,その精度は大きく変動する.今後の研究の推進方策としては,個別化医療への展開を達成するために,混合病理を有する症例の特徴を明瞭化して早期診断モデルに組み込むことである.
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