研究課題/領域番号 |
22K07526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
竹之内 徳博 関西医科大学, 医学部, 准教授 (20533235)
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研究分担者 |
中嶋 伸介 関西医科大学, 医学部, 助教 (00814972)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HTLV-1 / HAM / 樹状細胞 / HTLV1 |
研究開始時の研究の概要 |
HTLV-1は神経難病であるHTLV-1関連脊髄症(HAM)の原因ウイルスであり、HAMの発症及び症状の進行には、HTLV-1感染細胞の増加が主要なrisk factorであることが知られている。故に感染者個体内でのHTLV-1感染拡大の抑制が重要であり、感染細胞数を低減する治療薬の開発が待たれている。しかしながら、治療薬のスクリーニングに有用な感染モデルは確立されていない。HTLV-1は抗原提示細胞を介した感染伝播が示唆されているため、本研究では抗原提示細胞を介したHTLV-1感染モデルの構築を行い、HAMの治療や予防に有用な薬剤のスクリーニングに資することを目的とする。
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研究実績の概要 |
23年度は22年度に引き続き、樹状細胞を介したHTLV-1感染系の樹立を試みた。前年度の報告の通り、新鮮血より抽出されたヒト末梢血単球をサイトカインによって樹立された樹状細胞を用いた系では、作製されたHTLV-1感染樹状細胞のHTLV-1感染率はバラバラであり、総じて数%程度と低かったため、本研究の次のステップであるHTLV-1感染樹状細胞から非感染細胞へのHTLV-1の感染率はさらに不安定であった。よって、より感染率が高く安定したHTLV-1感染樹状細胞の作製の必要性に迫られたため、ヒト末梢血単球に換えてCell Lineを用いることとした。サイトカインによって樹状細胞に分化する数種類のCell Lineを用いて系の再構築を行ったところ、HTLV-1感染樹状細胞はより安定的に作製することが可能となった。その後、作製されたCell Line由来のHTLV-1感染樹状細胞から非感染細胞へのHTLV-1感染実験を行った結果、ヒト末梢血単球を用いた系よりもより安定した感染率を確保出来た。しかしながら、想定よりも感染力が強く、HTLV-1感染樹状細胞を作製する段階で用いたオリジナルのHTLV-1産生細胞株の混入の可能性が示唆された。HTLV-1産生細胞株の混入による感染率の上昇であれば、本研究の最終段階であるHTLV-1感染阻止実験の評価が困難になるため、現在は混入の可能性を排除するため実験系の改良を行っている所である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示す通り、本研究の最初の目的であるHTLV-1感染抗原提示細胞の樹立は安定的に出来ている。また、研究の中盤にあたるHTLV-1感染樹状細胞から非感染細胞へのHTLV-1の感染も不安定ながら確認できている。よって、(2)のおおむね順調に進展しているを選んだ。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要に示す通り、今年度の前半は、現在までに樹立出来ているHTLV-1感染樹状細胞から非感染細へHTLV-1の感染系をより安定化する予定である。具体的にはCell Lineを用いた系をメインとして、実験系へのHTLV-1産生細胞株の混入の可能性を排除する。一方でよりvivoに近い系である、新鮮血より抽出されたヒト末梢血単球を用いた系のHTLV-1感染率の向上も試みる。いずれかの系で、感染率が安定した段階で、本研究の最終段階であるHTLV-1感染阻止実験を行う。
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