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病態機序に基づいた副腎白質ジストロフィーの臨床病型を規定する因子の探索研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K07533
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52020:神経内科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

松川 敬志  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80755760)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード副腎白質ジストロフィー / Abcd1 / Acbd5 / 極長鎖飽和脂肪酸アシルCoA
研究開始時の研究の概要

副腎白質ジストロフィー (ALD) は、ABCD1を原因遺伝子とするX連鎖遺伝性の神経変性疾患である。遺伝子表現型連関は明らかでない。予後不良である大脳型に対しては早期の造血幹細胞移植が症状進行停止に有効であり、大脳型を生じやすい背景因子を同定できれば臨床上有用である。原因遺伝子ABCD1の機能に関連するACBD5を含む極長鎖脂肪酸アシルCoAの増加に寄与する遺伝子群に着目し、ALD 162症例のexome解析データの解析を行う。またAbcd1, Acbd5ノックアウトマウスを用いた行動解析、発現解析、病理学的解析等を用いて臨床病型と関連した遺伝的因子の解明、個別化医療への応用を目指す。

研究実績の概要

副腎白質ジストロフィーは、同一家系内でも多彩な臨床病型を示すのが特徴である。その中で、小児、思春期、成人大脳型は大脳白質の炎症性脱髄の急速な進行するため、予後不良である。
大脳型に対しては、発症早期の造血幹細胞移植が、症状の進行停止に有効である。多彩な臨床病型を規定する因子を同定することができれば、臨床上有用である。
Exome data解析として、極長鎖飽和脂肪酸アシルCoAの代謝に関わる遺伝子群を表現型修飾因子の候補遺伝子群として、exome dataの解析を行っている。極長鎖脂肪酸アシルCoAの代謝に関わる遺伝子群のvariantsを抽出し、Loss of functionを来す変異、既知の遺伝子変異の抽出、また、コントロールデータベースに基づいたvariantsの頻度、variantsの機能予測アルゴリズムのスコアを考慮してvariantの抽出を行っている。さらに副腎白質ジストロフィー症例のDNAを収集している。
また、造血幹細胞移植前後の副腎白質ジストロフィー症例の神経所見、画像、生理検査のデータの蓄積がなされている。また、移植前だけでなく、移植後のDNAの採取も行っており、移植後のキメリズム解析も検討し、移植後のキメリズムの違いが、移植後の神経症状に影響を与えるかの検討も行っている。
モデルマウスの解析として、Abcd1ノックアウトマウス(Abcd1-/Y)に、Abcd1と同様にペルオキシソーム膜上で機能し、極長鎖脂肪酸CoAのペルオキシソームへの輸送に関わる遺伝子Acbd5ノックアウトマウスを、IVF-ETの技術を用いて作出し、Abcd1 ノックアウトマウス(Abcd1-/Y)とのかけ合わせを行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Exome解析を順調に進めており、副腎白質ジストロフィーのDNA検体も増えている。
また、マウスのかけ合わせも順調に進んでいる。
極長鎖脂肪酸CoAのペルオキシソームへの輸送に関わる遺伝子Acbd5ノックアウトマウスとAbcd1 ノックアウトマウス(Abcd1-/Y)をかけ合わせたマウスで、Abcd1ノックアウトマウスとの表現型の違いを観察する。

今後の研究の推進方策

今後、極長鎖飽和脂肪酸アシルCoAの代謝に関わる遺伝子群を表現型修飾因子の候補遺伝子群として、exome dataのさらなる解析を行っていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Adrenomyeloneuropathy with Later Development of Cerebral Form Caused by a Hemizygous Splice-site Variant in <i>ABCD1</i>2024

    • 著者名/発表者名
      Takegami N, Matsukawa T, Hamada M, Tanifuji S, Tamura T, Yamaguchi-Takegami N, Ishiura H, Mitsui J, Sakuishi K, Tsuji S, Toda T.
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: 63 号: 7 ページ: 999-1004

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.2240-23

    • ISSN
      0918-2918, 1349-7235
    • 年月日
      2024-04-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neurofilament light chain levels in cerebrospinal fluid as a sensitive biomarker for cerebral adrenoleukodystrophy2023

    • 著者名/発表者名
      Kakumoto Toshiyuki、Matsukawa Takashi、Ishiura Hiroyuki、Mori Harushi、Tsuji Shoji、Toda Tatsushi
    • 雑誌名

      Annals of Clinical and Translational Neurology

      巻: 10 号: 7 ページ: 1230-1238

    • DOI

      10.1002/acn3.51818

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 【代謝性疾患と神経内科】副腎白質ジストロフィー2022

    • 著者名/発表者名
      松川 敬志
    • 雑誌名

      脳神経内科

      巻: 97 ページ: 320-323

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Clinical presentation of cerebello-brainstem form of adrenoleukodystrophy and efficacy of HSCT(ポスター優秀演題賞候補セッション).2023

    • 著者名/発表者名
      Akihito Hao, Takashi Matsukawa, Masashi Hamada, Toshiyuki Kakumoto, Jun Mitsui, Hiroyuki Ishiura, Shoji Tsuji, Tatsushi Toda.
    • 学会等名
      第64回日本神経学会学術大会. 2023年5月31日. 千葉県幕張メッセ.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] Annual Review 神経 20232023

    • 著者名/発表者名
      鈴木則宏 編 / 荒木信夫 編 / 宇川義一 編 / 桑原 聡 編 / 塩川芳昭 編 p. 225-229 を松川 敬志が担当
    • 総ページ数
      340
    • 出版者
      中外医学社
    • ISBN
      9784498428003
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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