研究課題/領域番号 |
22K07547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西郷 和真 近畿大学, 大学病院, 教授 (50319688)
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研究分担者 |
永井 義隆 近畿大学, 医学部, 教授 (60335354)
斎藤 芳郎 東北大学, 薬学研究科, 教授 (70357060)
山岸 裕子 近畿大学, 医学部, 非常勤講師 (80826040)
三田 雄一郎 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (70609122)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | DJ-1 / 認知症 / 血液バイオマーカー / アルツハイマー型認知症(AD)を / レビ-小体型認知症(DLB) / パーキンソン病(PD) / 進行性核上性麻痺(PSP) / 多系統萎縮症(MSA) / レビー小体型認知症 / アルツハイマー型認知症 / パーキンソン病 / パーキンソン症候群 / バイオマーカー / 鑑別 / 酸化型 DJ-1 / レビ-小体型認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
最近、ADを筆頭にDLB、PD、PSP、MSA、HD、FTD、VDにおける診断マーカーは画像診断マーカー(脳アミロイドPET、脳血流-SPECT、DAT-SPECT、MIBGシンチグラフィ検査等)が中心である。しかし、その費用対効果を考えると、汎用性は低い。一方、我々の研究では、採血検査によるバイオマーカーであるため、とても簡便で、本研究により診断が可能となれば、画像検査よりも、安価で提供できる。さらにADとDLBを採血検査で鑑別できるバイオマーカーになれば、世界初の報告となる。認知症の鑑別診断は社会から求められているニーズであり、加速する高齢化社会の我が国において、重要な研究であると考える。
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研究実績の概要 |
認知症と関連する精神神経疾患や神経変性疾患は多く、アルツハイマー型認知症(AD)、レビ-小体型認知症(DLB)、パーキンソン病(PD)、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)など多数の疾患にわたる。しかし、その鑑別診断には専門医でも難渋することが多いため、鑑別できる精度の優れた診断マーカーが求められている。そこで申請者はAD、DLB 、PD、PSP、MSA等の認知症に関連するバイオマーカーとなり得る候補代謝産物として、赤血球中の酸化型DJ-1蛋白(oxDJ-1)について注目し研究を続けてきた。AD患者の血液では、酸化されていないDJ-1を測定したところ、対照群と比べて有意差がなかったものや、増加していたものと報告は一定していない。よって、AD 患者とDLB患者を比較することで、認知症発症の病態に酸化ストレスが関与していることも同時に検討できる上に、赤血球中の酸化型DJ-1蛋白(oxDJ-1)は、髄液・血液中のDJ-1と比べPDの早期診断の手助けとなり、AD ばかりか、DLBの病態機序解明へつながる可能性が考えられる。さらに今まで患者サンプルからDJ-1タンパクの106部位のシステインだけでなく、DJ-1タンパクの他の部位のリン酸化も重要であり、その部位でのリン酸化と、106部位でのリン酸化との関連などについても、タンパクレベルでの検討が必要であると考えられる。先行研究として、分担研究者よりタンパクレベルでの解析を行い、二次元電気泳動解析により、oxDJ-1よりもさらに酸性の等電点を持つ新規の修飾を受けたDJ-1(acidicDJ-1)が存在すること、そしてacidicDJ-1スポットのDJ-1の73番目と109番目のプロリン(Pro)がヒドロキシ化されていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の申請では、特にDLBとその他の認知症において、oxDJ-1が他の認知症と比較して優位な上昇を来している可能性について検討し、DLBと他の認知症における血液診断マーカーとなり得るかどうかを明らかにする。同時に、DJ-1 関連蛋白を網羅的体内微量蛋白解析(プロテオーム解析)する事により、血液、尿検査による簡便な診断マーカーの候補となり得る候補蛋白を明らかにする。この基本姿勢で、本研究を進めている。本研究は、この後の日本の高齢化による認知症発症のメカニズムの解明と認知症の血液検査による簡便な新規診断薬として臨床的応用が目前となる研究である。DJ-1蛋白は、酸化ストレス制御やミトコンドリア関連蛋白としての機能が報告されてきた。申請者は、DJ-1 タンパクの106 のシステインが酸化されたoxDJ-1を認識する抗体を用いて、ELISA 法によって定量化しoxDJ-1 を測定することで、パーキンソン病の早期診断の診断マーカーの可能性、信頼性を高くするために、サンプル数を増やして行く。
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今後の研究の推進方策 |
今回は、特にDLBとその他の認知症において、oxDJ-1が他の認知症と比較して優位な上昇を来している可能性について検討し、DLBと他の認知症における血液診断マーカーとなり得るかどうかを明らかにする。同時に、DJ-1 関連蛋白を網羅的体内微量蛋白解析(プロテオーム解析)する事により、血液、尿検査による簡便な診断マーカーの候補となり得る候補蛋白を明らかにする。本研究は、この後の日本の高齢化による認知症発症のメカニズムの解明と認知症の血液検査による簡便な新規診断薬として臨床的応用が目前となっている研究であり、強力に推進すべき研究である。DJ-1蛋白は、酸化ストレス制御やミトコンドリア関連蛋白としての機能が報告されてきた。申請者は、DJ-1 タンパクの106 のシステインが酸化されたoxDJ-1を認識する抗体を用いて、ELISA 法によって定量化しoxDJ-1 を測定することで、パーキンソン病の早期診断の診断マーカーの可能性を見出した。今後も昨年から引き続き、今まで患者サンプルからDJ-1タンパクの106部位のシステインだけでなく、DJ-1タンパクの他の部位の修飾された新規の修飾を受けたDJ-1(acidicDJ-1)との関係や、その部位でのリン酸化と、106部位でのリン酸化との関連などについても、検討が必要である。血液サンプルのみならず、髄液サンプルとの比較などを行い、バイオマーカーとしての制度を確立して行く予定である。
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