研究課題/領域番号 |
22K07556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鷲塚 伸介 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60313855)
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研究分担者 |
本田 秀夫 信州大学, 医学部, 教授(特定雇用) (20521298)
篠山 大明 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90447764)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 双極性障害 / 自閉スペクトラム症 / 注意欠如・多動症 / 併存率 / 神経発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症などの神経発達障害と双極性障害は併存しやすいのか否かを明らかにするために行う。当院の「子どものこころ診療部」は、2022年に発足して20年を迎える。同診療部で神経発達障害と診断された子どもたちのうち、2022年以降に双極性障害の平均発症年齢とされる25歳を超える患者について追跡調査を実施する。併せて、当院精神科を受診中の双極性障害患者に対し神経発達障害の有無についての調査を行う。この2つの調査は、気分障害を専門とする精神科医と、神経発達障害を専門とする児童精神科医が共同で実施する。これによって神経発達障害と双極性障害の正確な併存率を明らかにする。
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研究実績の概要 |
神経発達症と双極性障害の併存率が高いか否かを「正確に」調査することを目的とする本研究において、研究実施計画に照らし、令和5年度は以下を実施した。 1.調査に関する質問票および診断面接マニュアルを作成した。成人神経発達症の患者は、本人の幼少期の記憶が曖昧になっていることと、その時期を客観的に観察していた親族からの情報が得られにくいことが、成人になってから特に幼少期の症候が拾いにくく、診断の遅れや見落としに繋がっていることを踏まえ、生活上の多岐にわたる質問項目を選定し、可能なかぎり親や年齢の離れた兄姉からの情報も得るようにして、質問票を作成した。また、本研究に関する診断面接は、主治医以外の医師によって行われるため、DSM5-TRを基にした診断面接マニュアルを作成し、診断に医師間のばらつきが生じないよう工夫をこらした。 2.成人双極性障害患者に対して、神経発達症の有無に関する調査を開始した。具体的には、①質問票の配布と回収、②AQ,CAARS(本人用、保護者用)の配布と回収、③診断面接マニュアルに基づいた主治医以外の医師による診断面接、④心理士によるHAMDおよびYMRSの実施。これらにより、成人双極性障害患者における、神経発達症(ASDおよびADHD)の併存率、併存している場合の神経発達症の症候学的特徴、現時点での社会適応度、併存の有無による福祉支援の差異などが明らかになりつつある。現在予定した患者数の30%程度の調査が終わっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、当院精神科および子どものこころ診療部所属の多くの医師の助力のもとに実施されるが、脆弱な地域医療を支えるために医師異動が想定以上に多くなり、研究実施に欠かせない中堅層の医師の慢性的な不足が続いているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究遂行の方法は確立し、すでに実際に調査が開始されている。令和6年度中に調査を終わらせることを目標として、教室内で研究説明会を行うなど推進に拍車をかける。 調査が終了次第、データの解析および論文発表に向けた準備を進める。
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