研究課題/領域番号 |
22K07565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
横山 沙安也 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00849440)
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研究分担者 |
古郡 規雄 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20333734)
菅原 典夫 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80431435)
下田 和孝 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30196555)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 双極性障害 / バルプロ酸 / 高アンモニア血症 / カルニチン |
研究開始時の研究の概要 |
バルプロ酸の副作用として高アンモニア血症があるが、その発生機序については不明な部分が多い。バルプロ酸の大半は肝臓で代謝され、特にグルクロン酸抱合体の生成にはUGT2B7分子種が関与し、UGT2B7遺伝子多型が薬効の個人差に影響を与えていることが報告されている。そこで本研究では3つの課題を設け、双極性障害における①バルプロ酸の薬物動態に対して UGT1A6およびUGT2B7遺伝子多型による個体差の解明、②カルニチン濃度とカルニチン遺伝子多型によるカルニチン回路とアンモニアの関係③尿素回路異常とアンモニアの関係から高アンモニア血症の発生機序を明らかし、高アンモニア血症予防方法を提案する。
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研究実績の概要 |
バルプロ酸内服中の双極性障害の患者182名に対し血液サンプリングを行い、血中バルプロ酸濃度と遊離カルニチン濃度およびアンモニア濃度の関連性について調べた。その結果、バルプロ酸暴露により、血中濃度依存性にカルニチン欠乏症と高アンモニア血症を引き起こすことが分かった一方で、アンモニア濃度と遊離カルニチン濃度は相関を認めなかった。この結果を日本神経精神薬理学会および日本臨床薬理学会にて報告した。また、この結果を受けて疾患によらずバルプロ酸内服中の患者の上記三項目の関係について系統的レビュー及びメタ解析を行ったところ、遊離カルニチンとアンモニアの血中濃度の間に負の相関があるという結果になった一方で、相関係数としては-0.44程度であり、バルプロ酸による高アンモニア血症は、カルニチン欠乏の機序を一部介していると結論付けた。このことを日本臨床精神神経薬理学会にて報告し、Clin Psychopharmacol Neurosciに掲載された(2022.8)。 現在、上記機序のさらなる解明のため、高アンモニア血症患者におけるバルプロ酸濃度とUGT2B7遺伝子多型の関連およびカルニチン回路異常の遺伝子関連解析を行うため、計200名を目標に血液サンプリングを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バルプロ酸と低カルニチン血症および高アンモニア血症の関連について学会発表および英語論文として発表でき、さらに100名のバルプロ酸内服中の患者から血液サンプリングを行うことができたことから、概ね順調に進展しているものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、バルプロ酸を内服中の双極性障害患者からの血液サンプリングを継続し、症例数を増やすと共に、その関連性について検討していきたいと考えている。
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