研究課題/領域番号 |
22K07573
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
切原 賢治 東京大学, バリアフリー支援室, 准教授 (80553700)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 思春期 / 脳波 / ミスマッチ陰性電位 / 聴性定常反応 / 統合失調症 |
研究開始時の研究の概要 |
思春期は精神疾患が好発する時期であり、精神疾患の早期支援は重要である。脳波で測定されるミスマッチ陰性電位(mismatch negativity: MMN)および聴性定常反応(auditory steady state response: ASSR)は統合失調症のハイリスクでも低下している。また、MMNとASSRは思春期の間も発達を続け、言語発達や精神病様体験と関連する。本研究では、思春期におけるMMNやASSRの発達が、言語発達や精神病様体験を介して精神疾患のリスクを形成する過程を明らかにする。その結果、リスクを軽減する方法や早期支援法を開発する上で有用な所見を得ることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、思春期を対象にミスマッチ陰性電位(mismatch negativity: MMN)と聴性定常反応(auditory steady-state response: ASSR)および関連する指標を包括的かつ縦断的に測定し、思春期におけるMMNやASSRの発達が精神疾患のリスクを形成する過程を明らかにすることを目的とする。 思春期を対象にMMNとASSRおよび認知機能、メンタルヘルス、環境要因に関連する指標を包括的かつ縦断的に測定するプロトコールは発表済みである(Okada et al., Psychiatry Clin Neurosci, 2019)。具体的には、思春期の一般集団から研究参加の同意を得たうえで脳波を記録した。聴覚オッドボール課題中の脳波からMMNを、40Hzのクリック音提示中の脳波からASSRを測定した。また、認知機能、メンタルヘルス、環境要因に関連する指標も取得した。得られたデータについて、MMNやASSRおよび認知機能やメンタルヘルスが年齢とともに縦断的にどのように変化するか、MMNやASSRの縦断変化と認知機能やメンタルヘルスの縦断変化がどのように関連するか、MMNやASSRが認知機能やメンタルヘルスを予測するか、環境要因などがMMNやASSRおよび認知機能やメンタルヘルスにどのように影響するかなどを調べている。 現在までのところ、MMNやASSRが適切に測定できていることを確認した。認知機能やメンタルヘルス、環境要因に関連する指標も取得できている。統計解析により、MMNやASSRと認知機能やメンタルヘルスとの関連についても一部見出している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東京ティーンコホートの参加者を対象にリクルートし、脳波を用いてMMNやASSRを計測するとともに認知機能やメンタルヘルスに関する指標を調べる。脳波計測や指標の取得は2年おきに行う。得られた結果を解析して、MMNやASSRと認知機能やメンタルヘルスとの関連を調べる予定であった。しかし、2022年度は新型コロナウイルス感染症の影響でデータ収集がやや遅れている。それに伴い解析もやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
東京ティーンコホートの参加者を対象にリクルートし、脳波を用いてMMNやASSRを計測するとともに、認知機能、メンタルヘルス、環境要因に関連する指標を収集する。脳波計測や指標の収集は2年おきに行う。得られたデータについて、MMNやASSRおよび認知機能やメンタルヘルスが年齢とともに縦断的にどのように変化するか、MMNやASSRの縦断変化と認知機能やメンタルヘルスの縦断変化がどのように関連するか、MMNやASSRが認知機能やメンタルヘルスを予測するか、環境要因などがMMNやASSRおよび認知機能やメンタルヘルスにどのように影響するかなどを調べる。得られた結果を学会や論文で発表する。 脳波計測等にあたっては、感染対策を十分に行ったうえで実施する。
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