研究課題/領域番号 |
22K07623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
松田 真悟 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (80723246)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 恐怖記憶 / 恐怖消去 / 性差 / インターフェロン誘発遺伝子 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、恐怖関連疾患では女性の方が有病率が高く、治療抵抗を示すことに着目し、これらを考慮した動物実験モデルの確立とそのモデルを利用した恐怖消去の性差を担う分子機構の解明に注力してきた。その結果、インターフェロン誘発性遺伝子(ISG)が恐怖消去抵抗性に関与する可能性が得られたので、本研究はISGが恐怖消去の性差に寄与するかを検証し、かつ、それぞれの寄与に関連のある分子を明らかにすることを目的とする。本研究の成果は、新たな標的分子の発見に結びつく可能性を持つだけでなく、精神科領域において性別を考慮した治療という新たな治療戦略の創出に繋がることが期待される。
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研究実績の概要 |
昨年度の研究により、3つのインターフェロン誘発遺伝子のうちCCL5が恐怖消去の性差に関与する可能性を得ることができ、作業仮説として『雌では背側海馬内CCL5-CCR5活性が高いために恐怖消去抵抗性が生じる』を立てた。本年度は、この仮説をさらに追及することを目的に実施した。 雌マウスで恐怖消去促進効果があったCCR5拮抗薬マラビロク(1 μg/site)を、雄マウスに投与しても恐怖消去に影響を及ぼさないことがわかった。また、雄マウスの背側海馬へCCL5(20 ng/ site)を投与することで恐怖消去が阻害された。これらの結果は、我々の仮説を支持するものだった。一方、CCL5-CCR5を標的とした治療法の開発を目指し、マラビロク(20 mg/kg)を雌マウスの腹腔内へ投与したが、申請者らの予想に反して恐怖消去を阻害した。また、恐怖記憶を獲得する前や獲得した後では、背側海馬のCCL5やCCR5のmRNAおよび血中のCCL5濃度に性差はなく、加えて、脳内Ccl5 mRNAと血中CCL5に相関がないことも明らかにした。 一方、研究を行っている過程で、ホームケージの大きさや床敷きの種類が雌雄の恐怖記憶に影響を与えることが分かり、これを国際誌へ報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初注目していたCCL5だけでなく、その受容体であるCCR5も恐怖消去の性差に関与することを明らかにすることが出来た。さらに、CCL5-CCR5経路に着目し、恐怖記憶の獲得前後でのそれぞれの背側海馬内mRNA発現量に性差がないことも明らかにできた。また、恐怖消去の性差について末梢のCCR5の関与は否定することが出来た。つまり、二年目の研究によって、恐怖消去時の背側海馬内CCL5-CCR5活性が恐怖消去の性差に重要なことが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
標的分子をCCL5-CCR5に絞り込み、CCR5の下流分子の中から恐怖消去の性差を担う分子を明らかにする。また、引き続き、in vivo siRNA法の導入に取り組み、雌マウスの背側海馬内のCcl5 mRNAをノックダウンした際に恐怖消去を促進することが出来るかを調べる。
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