研究課題/領域番号 |
22K07626
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
尾之内 高慶 藤田医科大学, オープンファシリティセンター, 講師 (20632954)
|
研究分担者 |
塩竈 和也 藤田医科大学, 医療科学部, 准教授 (10387699)
酒井 一由 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (90215583)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | APC / 小脳 / 免疫染色 / 神経ネットワーク / 光-電子相関顕微鏡法 / 統合失調症 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌抑制遺伝子として発見されたApc遺伝子は、大腸や脳(海馬,小脳)に多く発現している。脳に発現するApc遺伝子の機能はよく分かっていない。癌が発生しない変異APC(APC1638T)を発現するAPC1638Tマウスは、海馬神経細胞のシナプス形成と伝達に異常があり、統合失調症様行動を示す。小脳に発現するApc遺伝子の機能はよく分かっていない。本研究の目的は、APC1638Tマウス小脳における「三次元神経ネットワーク構造」と「APCとPSD-95(APC結合タンパク質)の局在」を調べて、APCとPSD-95の相互作用が小脳の三次元神経ネットワーク形成に与える影響を明らかにすることである。
|
研究実績の概要 |
大腸癌抑制遺伝子として発見されたApc遺伝子は、大腸や脳(海馬,小脳)に多く発現している。Apc遺伝子変異と脳腫瘍発生との関連は証明されておらず、脳に発現するApc遺伝子の機能はよく分かっていない。これまでに研究代表者らは、脳に発現するApc遺伝子の癌抑制以外の機能を解明するために、癌が発生しない変異APC(APC1638T)を発現するAPC1638Tマウスを作製して、APC1638Tマウスは海馬神経細胞のシナプス形成と伝達に異常があり、統合失調症様行動を示すことを報告した。小脳に発現するApc遺伝子の機能はよく分かっていない。本研究では、APC1638Tマウス小脳における「三次元神経ネットワーク構造」と「APCとPSD-95(APC結合タンパク質)の局在」を調べて、APCとPSD-95の相互作用が小脳の三次元神経ネットワーク形成に与える影響を明らかにする。 2022年度は、①研究協力者からのマウス提供予定の打合せ、②免疫染色で用いる抗体(抗APC抗体,抗PSD-95抗体,抗MAP2抗体)の染色条件(抗原賦活条件)の検討を行った。2022年度から2023年度までの間に、本研究で用いる生後8週齢のオスの野生型APCマウス(5匹)とAPC1638Tマウス(5匹)の小脳組織を、研究協力者の研究施設から提供いただけることになった。4%パラホルムアルデヒドで固定した野生型APCマウス小脳のパラフィン切片を用いて、抗APC抗体,抗MAP2抗体,抗体PSD-95抗体の染色条件(抗原賦活条件)の検討を行った。抗原賦活条件として、Proteinase Kによる酵素処理、pH6のクエン酸バッファーによる加熱処理、pH8のEDTAによる加熱処理を検討した。抗APC抗体,抗PSD-95抗体,抗MAP2抗体は、pH8のEDTAによる加熱処理が抗原を賦活させることが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者の研究施設から、生後8週齢のオスの野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの小脳組織を提供いただけた。また、本研究の実施に必要な抗体(抗APC抗体,抗PSD-95抗体,抗MAP2抗体)を入手することができ、染色条件(抗原賦活条件)を明らかにすることができた。これらのことから、本研究課題の進捗状況を「おおむね順調に進展している。」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に明らかとなった抗体(抗APC抗体,抗PSD-95抗体,抗MAP2抗体)の染色条件を用いて、野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの小脳組織の免疫染色を行う。抗APC抗体と抗PSD-95抗体を用いた免疫染色から、野生型APCマウスとAPC1638Tマウス小脳におけるAPCとPSD-95の発現の違いを明らかにする。また、樹状突起マーカー抗体であるMAP2抗体を用いた免疫染色から、野生型APCマウスとAPC1638Tマウス小脳における樹状突起の構造の違いを明らかにする。
|