研究課題/領域番号 |
22K07634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
萱野 大樹 金沢大学, 医学系, 准教授 (10547152)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 核医学治療 / I-131 MIBG / Lu-177 DOTATATE / 神経芽腫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高リスク神経芽腫に対する飛躍的な治療効果増強を目的として、集積機序の異なる2種類の放射性薬剤を用いた2薬剤同時併用核医学治療法の前臨床的検討を行う。核医学治療は、多発病変への効率的な治療が可能であるとともに副作用が少ないことも大きな利点であるため、本治療法の有用性が示され、実臨床への応用が可能となれば、高リスク神経芽腫の患児にとってQOLを保ちつつ予後を飛躍的に改善できる可能性があり、患児および家族にとって極めて大きなメリットが得られる。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、褐色細胞腫・傍神経節腫7例にI-123 MIBGシンチグラフィとIn-111 Pentetreotideシンチグラフィを施行し、程度の差はあるもののI-123 MIBGだけでなくIn-111 Pentetreotideも病変へ集積することを確認でき、褐色細胞腫・傍神経節腫においてI-131 MIBGだけでなくLu-177 DOTATATEも核医学治療として十分に治療効果が期待できる可能性のあることが示唆された。 令和5年度は、上記7例について核医学治療の内容、およびその効果を調べた。4例にはLu-177 DOTATATE治療が施行され、SD3例、PD1例であった。このSD3例中2例は、評価上はSDであるものの病変縮小効果が確認できた。2例にはI-131 MIBG治療が施行されたが、いずれも、PDであった。1例はLu-177 DOTATATE治療が計画されたものの、病変が急速進行したため、核医学治療を行うことができなかった。 令和5年度の結果からは、褐色細胞腫・傍神経節腫においてもLu-177 DOTATATE治療で著効とまではいえないもののある程度の治療効果が得られることの確認ができた。褐色細胞腫・傍神経節腫において、I-123 MIBGとIn-111 Pentetreotideの病変集積の程度に応じて、Lu-177 DOTATATE治療が核医学治療としての第一選択枝にもなり得ることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の研究結果から、2種類の診断用の放射性薬剤を用いて事前にシンチグラフィを施行することにより、併用核医学治療の可能性が示された。また、令和5年度の研究結果からは、2種類の診断用の放射性薬剤を用いることで、最適な核医学治療を選択できることを実臨床で示すことができ、研究は順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の研究では、褐色細胞腫・傍神経節腫において、I-123 MIBGとIn-111 Pentetreotideの放射性薬剤が集積することが確認され、それぞれの放射性薬剤に対する治療薬であるI-131 MIBGとLu-177 DOTATATEによる核医学治療で効果発現が期待できることが示された。さらに、令和5年度に実際にそれぞれの病状に応じた核医学治療を施行することにより、ある程度の治療効果が得られることが示された。 令和6年度の研究では、引き続き核医学治療を継続し、その効果発現の有無およびI-131 MIBGとLu-177 DOTATATEを併用した核医学治療の可能性についての検討を行う。
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