研究課題/領域番号 |
22K07646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
久原 重英 杏林大学, 保健学部, 非常勤講師 (60781234)
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研究分担者 |
竹内 純一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (80432871)
天沼 誠 杏林大学, 保健学部, 教授 (10212565)
芝生 春菜 杏林大学, 保健学部, 助教 (20784606)
遠藤 祐太 杏林大学, 保健学部, 助教 (80845016)
小林 邦典 杏林大学, 保健学部, 非常勤講師 (90723867)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Cardiac MRI / Cine MRI / whole heart CMRA / stationary period / Deep learning / CNN / object detection / SSD / MRI / 冠動脈MRA / 冠動脈静止期間 / 深層学習 / 超解像 |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈MRA(磁気共鳴血管撮影法)は、虚血性心疾患における冠動脈の非侵襲的な形態診断法として期待されているが、撮像に煩雑な手順を要するため、高画質化と共に検査の簡素化・短時間化が求められている。 本研究では、まず冠動脈の静止期間を、自動で正確かつ操作者依存性なく検出できる、1)冠動脈静止期間自動抽出技術(高精度動き検出技術 + 静止期間自動判定技術)の研究を行う。次に少数データから高い空間分解能の冠動脈MRAを再構築できる、深層学習と超解像技術に基づいた、2)高精細画像再構成技術の研究を行い、これらの技術の統合により、より簡便で高精細な画像が得られる、高精細冠動脈MRA撮像技術の完成を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は1)冠動脈静止期間自動抽出技術(①高精度動き検出技術 + ②静止期間自動判定技術)と2)高精細画像再構成技術に関する研究を行い、それらの技術の統合により、より簡便でかつ高精細な冠動脈MRA が安定して得られる、高精細冠動脈MRA撮像技術の完成を目指すものである。初年度は 1)に関して、主に①を中心に研究を進めた。また②に関する予備的な検討を行った。 ①の高精度動き検出技術に関しては、冠動脈MRAの本撮像前に行われるCine MRIの四腔像を対象とし、各心位相の画像に対し、左右の冠動脈を同時にかつ全フェーズに渡って検出可能なことを目標に研究を行った。基礎検討段階で得られた方式をベースに、体格や年齢の異なるボランティアの心臓Cine MRIを撮像すると共に、公開データも用いて検証を進めた。冠動脈の位置の検出には、物体検出に用いられるCNN(Convolutional Neural Network)の一種で、高速かつ高精度な物体認識が可能なSSD ( Single Shot Multi-box Detector)を用い、得られた各画像の冠動脈の位置情報から、隣り合う画像間での冠動脈の移動量を求め、冠動脈の動き曲線を得た。コロナ禍の影響もあり、実撮像はそれほど多くは出来ず、公開データを含めてもまだ比較的少ないデータ数ではあるが、従来法としてテンプレートマッチング法を用いた場合に対し、より高い検出率で冠動脈の位置が検出でき、高精度に冠動脈の動きを検出可能なことが確認できた。 ②の静止期間自動判定技術に関しては、①で得られた冠動脈の動き曲線から、深層学習を用いて静止期間を求める技術に関して予備的な検討を進め、成果の一部をISMRM( International Society for Magnetic Resonance in Medicine )へ投稿し採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に実施予定の1)冠動脈静止期間自動抽出技術の①高精度動き検出技術に関しては、基礎検討段階で得られた方式をベースに、コロナ禍の影響もあり実撮像データ数はそれほど多くは出来なかったが、データ数を増やした検討が行え、従来法よりも提案手法の方がより高い検出率で冠動脈の位置を検出でき、より高精度な冠動脈の動き検出が可能なことが確認できた。 また、次年度予定の②の静止期間自動判定技術に関しても、予備的な検討により基本的な動作の確認等ができ、成果の一部を学会投稿出来たことなどから、ほぼ予定通りに進捗していると言える。 なお、世界的な半導体不足と急激な円安の進行により、初年度導入予定の計算機については、しばらく様子見として次年度以降に先延ばしとし、現行の計算機環境で検討を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は1)冠動脈静止期間自動抽出技術の②静止期間自動判定技術に関して、予備検討での成果をベースにさらに詳細な検討を進める。現在は操作者がCine画像から目視にて冠動脈の静止期間を求めているため、操作者依存性がある。そこで冠動脈の動き曲線に対して、熟練者の静止期間の判定結果を学習させることで、熟練者と同等レベルの静止期間判定が可能な、深層学習をベースとした静止期間自動判定技術の実現を目指す。 本年度以降は、フェーズ1(2022年度)に加えて、深層学習での検討項目がさらに増え、より高い計算機能力が必要となって来ることから、先延ばししていた計算機の早期導入ならびに稼働により、研究推進のスピードUPを図る。また、最終年度の超解像技術を用いたWhole-Heart CMRA (Coronary Magnetic Resonance Angiography)の画質UPに関する予備検討にも着手し、最終年度での成果に繋げていく予定。
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