研究課題/領域番号 |
22K07652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
金井 泰和 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(助教) (60397643)
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研究分担者 |
服部 能英 大阪公立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (50514460)
切畑 光統 大阪公立大学, 研究推進機構, 特任教授 (60128767)
仲 定宏 大阪大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (60599843)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | BNCT / ほう素中性子捕捉療法 / PET / SPECT / BSH |
研究開始時の研究の概要 |
水溶性ホウ素クラスターであるBSHは、ホウ素中性子捕捉療法において、悪性脳腫瘍の臨床研究に用いられているホウ素送達薬剤である。近年ではリポソームなどによるBSHの薬剤送達法が開発されるとともに、次世代の新規ホウ素薬剤のホウ素源として多用されている。BSHの集積分布や取り込み機構などの薬物動態を解析評価した例は無く、未開拓の研究課題である。本研究では、BSHの体内動態の解明と評価を目的として、標識合成やイメージングによる動態観察の経験を活かし、放射性核種によるBSHの新規標識法を開発するとともに、PET、SPECTイメージングによる非破壊的・リアルタイムなBSHの動態解析法を確立する。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に確立したヨウ素化ドデカボレートの合成について、研究分担者らと協力して前駆体となるシアノエチル化BSHの合成方法について再検討を行った。これまでの方法はXue Zhaoらの方法 (Xue Zhao et al., Coordination Chemistry Reviews, 444, 214042 (2021))に従い合成を行っていたが、合成収率が40 %程度と低収率であり、さらには反応温度が-15℃と厳しい条件であったため、より簡便で高収率の反応を目指して検討を行った。反応温度、反応溶媒等について複数の条件で検討を行ったが、改善は見られなかった。 さらに動物実験への準備として、合成したヨウ素化ドデカボレートの溶液中の安定性について検討を行った。その結果、ヨウ素化ドデカボレートは1週間程度は水溶液中では安定であるが、時間経過とともに分解していくことを確認した。現在は、動物実験に供する量のヨウ素化ドデカボレートの合成を実施し、確保できている。 現在は小動物を用いて、ヨウ素化ドデカボレート化合物の毒性試験・安全性試験を実施するため準備している。具体的にはまず、動物実験実施環境の整備(実験申請、実験場所の確保、実験協力者の確保など)を行っており、環境が整い次第、ヨウ素化ドデカボレートを用量別に投与し、各投与量での毒性・安全性について確認する予定である。さらにはこれらの結果をもとに、実際に放射性ヨウ素で標識したヨウ素化ドデカボレートを用いた体内動態観察実験の準備を進めて行く。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シアノエチル化BSHの合成方法についてXue Zhaoらの方法 (Xue Zhao et al., Coordination Chemistry Reviews, 444, 214042 (2021))に従い合成を行っていたが、合成収率が40 %程度と低収率であり、さらには反応温度が-15℃と厳しい条件であったため、より簡便で高収率の反応を目指して検討を行ったが、想定していたような結果が得られなかったため。 さらにシアノエチル化BSHの水溶液での安定性が想定していたよりも低かったため、動物実験に移るのに時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は小動物を用いて、ヨウ素化ドデカボレート化合物の毒性試験・安全性試験を実施する。具体的にはまず、環境が整い次第、ヨウ素化ドデカボレートを用量別に投与し、各投与量での毒性・安全性について確認する予定である。 並行して、放射性ヨウ素によるドデカボレート化合物の標識合成について、詳細な合成条件(反応温度、反応時間、反応溶媒等)について検討を行い、放射性ヨウ素化ドデカボレート化合物を得ることを目指す。 さらにはこれらの結果をもとに、実際に放射性ヨウ素で標識したヨウ素化ドデカボレートを用いた体内動態観察実験の準備を進めて行く。
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