研究課題/領域番号 |
22K07657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 孝二 九州大学, 大学病院, 助教 (80546565)
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研究分担者 |
野口 智幸 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 放射線部長 (40380448)
杉森 宏 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 脳血管センター内科担当部長 (50403986)
桑城 貴弘 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 脳血管・神経内科医長 (70568964)
徳永 聡 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 脳血管センター血管内治療担当部長 (90532838)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | MRI / SPECT / もやもや病 / 拡散強調像 / 脳 / 高磁場MRI / 急性期脳梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
まず、短時間で撮像可能なMR灌流強調像プロトコールを開発し、プロトコールの最適化および観察者間一致率の高い解析法の構築を行う。次に、開発された撮像プロトコールを急性期脳梗塞患者に用い、虚血コアおよびペナンブラ領域の推定を行う。併行して、無症候性主幹動脈高度狭窄ないし閉塞患者の撮像を行い、開発されたプロトコールの妥当性および他の灌流強調像との相関を検討する事により、新たな脳灌流形態評価法の確立を図る。
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研究実績の概要 |
急性期脳梗塞患者におけるMR intrvoxel incoherent motion imaging (IVIM)法の有用性を報告したが、今回は、MR IVIM法の有用性を核医学検査:単一光子放射断層撮影(SPECT)法をgold standardとする事で検証を行った。対象症例としては、急性期脳梗塞患者で両者を撮像する機会が少ないため、虚血性脳疾患としてもやもや病(MMD)患者および動脈硬化性の主幹動脈閉塞患者(non-MMD)を対象とした。背景としてMMDとnon-MMDでは病因、臨床経過、治療戦略が異なる事が知られており、研究目的は、MR IVIM画像とSPECT画像を用いてもやもや病患者(MMD)およびもやもや病以外の原因による無症候性内頚動脈、中大脳動脈狭窄もしくは閉塞患者(non-MMD)における血行動態の違いを評価する事とした。MR IVIM画像を撮像された内、99mTc-ECDもしくは 123I-IMP SPECTが撮像された、 MMD 20例(男:女=6:14、年齢47.9 ± 14.4歳)、non-MMD 28例(男:女=15:13、年齢58.5 ± 13.2 歳)を対象とした。6点のb値 (0, 50, 100, 150, 200, 1000 s/mm2) を用い、two-step fitting法にてf mapを作成した。IVIM f値およびSPECTデータより小脳半球平均値にて正規化した脳血流(CBFR)間における相関の有無をSpearmanの順位相関係数にて検定した。結果、IVIM f値はMMDおよびnon-MMD群にて有意差を認めなかった。MMD群ではIVIM f値とSPECTから得られたCBFRに負の相関がみられたが、non-MMD群では有意な相関はみられなかった。以上より、MR IVIM画像とSPECT画像を組み合わせた基底核領域の脳血液量および脳血流量を評価する事はMMDとnon-MMDの異なる血行動態を非侵襲的に評価可能であると思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に急性期脳梗塞患者におけるMR intrvoxel incoherent motion imaging (IVIM)法の有用性を報告しており、さらにIVIM法より得られるパラメータの有用性をSPECT画像との相関を見る事で、一定の相関が得られる事を発見・報告した。
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今後の研究の推進方策 |
今回得られた灌流画像について精度向上や、他疾患での適応を検討する。近年MR画像は画質の向上、薄いスライス厚による撮像枚数の増加、撮像シーケンス増加などにより、データ量はますます増加している。更なる撮像条件の改良(パラレルイメージングや圧縮センシングなど)および解析ソフトウェアの開発やビッグデータ解析を可能とするようなクラスター・スーパーコンピュータによる高精度な解析を検討しており、アルゴリズム開発や精度向上を図る。また、得られた膨大な画像データを解析する事で特定の病型検出や予後推定法の確立を行う。
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