研究課題
基盤研究(C)
近年、腫瘍免疫機構のメカニズムが詳しく調べられ、腫瘍細胞がいかにして宿主の免疫細胞からの攻撃を避けて増殖、進行するメカニズムが解明されつつある。また、放射線治療により免疫応答を惹起し、腫瘍細胞を細胞死に至らせる免疫原性細胞死(Immunogenic cell death)の誘導の有無が放射線治療成績に影響を与えている可能性が指摘されている。そこで人工知能(AI)を活用し、高精度で臨床応用が容易な放射線治療による腫瘍免疫活性化の予測モデルを作成して、個別化した放射線治療の実現を目的とする。
CD8/FoxP3陽性細胞数の免疫組織染色が完了し、治療成績のデータが揃っている子宮頸癌の術前照射の症例を用いて、専用のソフトを用いた解析による定量評価と従来の目視による判定とを比較して、差異がないことを証明、また、ソフトを用いた判定が優れている可能性について検討した。同様にCD8の免疫組織染色が完了し、治療成績のデータが揃っている中咽頭癌の症例を用いて、ソフトを用いた判定の妥当性について検討した。子宮頸癌、中咽頭癌いずれにおいても専用のソフトを用いた定量評価は従来の目視による判定と比較して差異がないことが確認された。また、ソフトを用いることで短時間での解析が可能になることを示した。
本研究は、放射線治療を受けた子宮頸癌および中咽頭癌の症例において、CD8/FoxP3陽性細胞の免疫組織染色を専用ソフトで定量解析し、従来の目視判定と同等の妥当性を持つこと、かつ短時間での解析が可能であることを示した。これにより、放射線治療後の免疫環境の客観的評価が可能となり、病理診断の効率化や標準化に加え、免疫反応に基づく個別化放射線治療の推進にも貢献する学術的・社会的意義がある。
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