研究課題/領域番号 |
22K07679
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
村山 和宏 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40622931)
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研究分担者 |
大野 良治 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30324924)
廣瀬 雄一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60218849)
植田 高弘 藤田医科大学, 医学部, 講師 (60897370)
池田 裕隆 藤田医科大学, 医学部, 講師 (70750959)
永田 紘之 藤田医科大学, 医学部, 講師 (70795608)
大場 茂生 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (80338061)
外山 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90247643)
花松 智武 藤田医科大学, 医学部, 助教 (90837569)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 磁気共鳴画像 / 化学交換飽和移動イメージング / 神経膠腫 / 髄膜腫 / 脳腫瘍 / 3次元化学交換飽和移動画像 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性神経膠腫の治療成績の改善には術前の詳細な画像検査による精度の高い組織型及び悪性度診断が必要ですが,従来のMRI撮像法のみでは未だ十分な診断精度を有しているとは言えません。このような背景から今回我々は神経膠腫の新たな画像診断法として,非造影でのMRIによる3次元化学交換飽和移動イメージング、人工知能をノイズ低減に応用した画質改善のための画像再構成法、コンピュータ支援診断システムの開発を行います。
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研究実績の概要 |
脳腫瘍の治療成績の改善においては治療法の開発及び改良が最重要課題であるが、その治療法選択を行うためには術前の詳細な画像検査による精度の高い組織型及び悪性度診断が必要である。化学交換飽和移動(CEST)イメージングは磁気共鳴画像装置を用いた非造影の新しい分子イメージング法であり、異なる周波数間でのプロトン交換に基づくコン トラストを得ることにより、体内の重要な代謝化合物のマッピングや生体内環境に関する情報を提供する手法である。3D CESTイメージングでは広範囲を一度に撮像することが可能となり、腫瘍全体の代謝活性を評価することが可能となり,より精度の高い質的診断につながる可能性があることを示した。 このような学術的背景において、得られたCEST画像の画質、CESTイメージング の測定値の精度について,髄膜腫を対象として検証すると共に、他のMRI画像,病理検査と対比し信号強度解析を行った。その結果、3D CESTイメージングでは,良性髄膜腫と比べて悪性髄膜腫においてMTRasym(3.5ppm)は有意に高値を示した。さらに,MTRasym(3.5ppm)と細胞増殖の程度を示すMiB-1 indexに相関関係が示された。一般的な脳腫瘍診断に用いられる灌流画像では鑑別困難な場合においても,CESTイメージングにてMTRasym(3.5ppm)が良悪性で異なる分布を示していた。以上のことから,CESTイメージングは髄膜腫における良悪性の鑑別に有用性である可能性が示された。髄膜腫の良悪性診断に関してだけでなく,病変内の代謝活性マッピングにより治療方針の決定や,治療効果のモニタリングへの応用可能性が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3D CESTイメージングの臨床応用における基礎検討,および脳腫瘍における良悪性診断法及びエビデンスの確立について順調に進展しており,当該の進捗状況とした。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに取得した脳腫瘍患者画像データの画質,ノイズ低減効果,定量性を含めたCESTイメージングの診断能について,AI(ディープラーニング)を応用したノイズ低減再構成についての開発改良を継続する。
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