研究課題/領域番号 |
22K07680
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
丸山 拓士 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (20786678)
|
研究分担者 |
狩谷 秀治 関西医科大学, 医学部, 准教授 (40368220)
中谷 幸 関西医科大学, 医学部, 講師 (10533424)
小野 泰之 関西医科大学, 医学部, 助教 (60786698)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | リンパ / 胸管 / IVR / PMEA |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ管の破綻によるリンパ漏、リンパ管の閉塞によるリンパ浮腫は日常の外傷や手術で頻繁に生じているがほとんどが自然に解決されている。一方、自然治癒せずリンパ漏やリンパ浮腫が慢性的になると、決め手となる治療がなく生活の質を低下させる。そこでこれを解決するためにリンパ還流障害の中枢部位にリンパ管静脈吻合を画像ガイド下治療(IVR)の手法で人工的に作ると治療できると考えた。本研究の目的は画像下リンパ管-静脈バイパス術でリンパ漏とリンパ浮腫を解決できることを証明することである。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、IVRの手法を用いた経皮的リンパ管-静脈バイパス術に関する実験を行い、リンパ漏やリンパ浮腫に対するリンパ管-静脈バイパス作成の有効性を明らかにすることである。令和4年度では正常豚を用いたリンパ管-静脈バイパス術の実験を計画した。本研究の構想段階でリンパ管-静脈バイパスを作成する部位として、胸管-下大静脈経路、躯幹リンパ節内のリンパ管-静脈経路、の2つの経路を考案した。まずは胸管-下大静脈経路でのバイパス術に着手した。これまでの予備実験で、豚を仰臥位にした状態で腹壁から水平断面上鉛直方向刺入で胸管に至る経路での胸管へのアプローチが可能であることを実証した。一方で斜め刺入での胸管へのアプローチでは複数回の穿刺を要する事象を経験した。腹壁から下大静脈を貫通し胸管に到達する経路も斜め刺入である。この穿刺は肝要であり、斜め刺入でのアプローチが困難である原因究明を研究分担者らと共に行った。下大静脈壁が硬いため通常胸管穿刺に用いている細径の金属針では下大静脈壁を穿刺貫通できない事、下大静脈と胸管を直線で穿刺できる経路は肝臓などの臓器や組織を貫通しながら進む長距離の穿刺であるため下大静脈や胸管に到達する時点ですでに針の先端が鈍化しており下大静脈および胸管壁が鋭利に貫けない事、鉛直刺入では胸管の背側に椎体があるため穿刺時に支えとなるが斜め刺入では後方に支持となる構造がなく穿刺の力が逃げ得る事、が原因項目として列挙された。実臨床で経皮経腰的下大静脈アプローチに用いている穿刺針の使用、2方向穿刺でのアプローチ、他、デバイス面及び手技面で講じられる対策の検討を行った。 また、前述の実験成果をJRS 2022、JSIR 2022、The 14th International Symposium of Interventional Radiology、APSCVIR 2022で報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は正常豚における胸管-下大静脈経路でのバイパス術に着手し、豚の胸管に対し多角度からアプローチ可能であることは既に実証済である。また、今後の実験において生じ得る問題に対する原因究明を行い、講じられる対策の検討も、令和4年度内で実施ができており検証の計画を進めている段階である。新型コロナウイルスの流行下にあったが研究環境や研究体制を変更する必要は生じず、次の実験をいつでも実施できる状態にある。ただし新型コロナウイルス感染対策として出張および実験が制限されたため、研究の進行スケジュールに変更が生じた。そのためやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度内に、実験で得られた経験や知見を元に、実験計画、デバイスの開発改良、手技の考案工夫、について研究分担者らと複数回にわたる検討を行っている。検討で新たに立案された事項を含め検討結果を次年度以降で検証、また、以後の実験での導入を予定している。具体的な内容では、各脈管圧を測定し解析項目として加えることや、PMEAコーティングを施したエラスターニードルの作成および導入、多角度複数方向穿刺での下大静脈-胸管貫通アプローチの実施、が挙げられる。今後も引き続き、画像ガイド下に経皮的リンパ管-静脈バイパスを作成する実験を継続していく。そして、リンパ管-静脈バイパスの造設がリンパ漏やリンパ浮腫などリンパ還流障害疾患の治療法となる事を証明するために結果解析や考察を実施する。
|