研究課題/領域番号 |
22K07683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山内 浩 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40360812)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | タウ / 慢性脳虚血 / ポジトロンCT / 脳血管障害 / 分子イメージング / 認知症 / 脳卒中 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病は認知症の中心を占め、わが国でも高齢化により増加し、対応に迫られている。脳内タウ蓄積は、アルツハイマー病脳で、脳内アミロイド蓄積と共に起こる病変で、神経細胞死と密接に関連し、認知症発症に直結する病理変化であり、治療のターゲットである。 脳血管障害危険因子は、脳動脈硬化を引き起こし、脳循環を障害する。ヒト病理学的に、アルツハイマー病では、脳動脈硬化とタウ蓄積、およびアミロイド蓄積の関連が報告されている。 私たちは、PETによる脳循環代謝測定と分子イメージングを用いて、ヒトで慢性脳虚血がアミロイド蓄積の原因となる可能性を示してきた。本研究では、慢性脳虚血とタウ蓄積の関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
脳内タウ蓄積は、アルツハイマー病で認知機能障害を引き起こす鍵となる病理変化である。本研究の目的は、脳主幹動脈閉塞症患者を対象とし、PETにより脳循環代謝とタウ蓄積の両者を評価し、慢性脳虚血とタウ蓄積の関連性を検討し、慢性脳虚血がタウ蓄積に寄与するかどうかを明らかにすることである。昨年度、患者群における[18F]PMPBB3集積の脳循環障害との関係の横断的解析を行い、慢性脳虚血がタウ蓄積増加と関連していることを明らかにし、論文として発表した。 本研究で使用するタウイメージング剤の[18F]PMPBB3は、放射性医学総合研究所で開発されたオリジナル薬剤であり、Apprinoia社が、臨床薬剤([18F]florzolotau)として開発を進めている。本年度は、新規タウ製剤のヒトでの特性を把握しするため、健常者3例における[18F]florzolotau投与後の全身分布の検討を行ないい、検討結果を論文として発表した。 【要旨】さまざまな神経変性疾患において脳内に異常なタウ蛋白の蓄積がみられることが知られている。Florzolotau(F18)(florzolotau,APN-1607,PM-PBB3)は様々なタウオパチーにて異常集積を示すことが知られている。本研究は、健常日本人における同薬剤の安全性、薬物動態と、被ばく線量を評価した第一相臨床試験の報告である。3名の日本人成人健常男性に対し、195±0.5MBqの Florzolotau(F18)を静脈注射し、複数回の全身スキャンを行い薬物動態を見るとともに有害事象の発言を検討した。有害事象は特に認められず、本検査による実効線量はMIRD法により 3.64mSv(185MBq投与時)と計算され、安全な薬剤であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに横断的研究のデータは論文化できており、健常者における[18F]florzolotau投与後の全身分布の検討結果も論文化できた。
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今後の研究の推進方策 |
さらに症例を増やして、詳細な横断的解析を行なっていく。可能な症例をフォローアップし、[18F]PMPBB3を用いたタウPETイメージングを施行し、縦断的解析を行う。
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