研究課題/領域番号 |
22K07715
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中根 俊樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60569789)
|
研究分担者 |
田岡 俊昭 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (30305734)
福永 雅喜 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 准教授 (40330047)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 超高磁場MRI / 深層学習 / 脳 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系の画像診断にMRIは必須であるが、MRIでも感度の低い脳深部をターゲットとする脳深部核刺激療法の手術においてはアトラスや刺入電極からの電気信号等に頼らざるを得ない。その解剖を画像で評価できれば臨床的に有用で、神経科学にも寄与すると思われる。MRIの画質は静磁場強度に比例し良好になるが、3テスラと比較し2倍以上の信号雑音比を達成しうる7テスラの装置は限られた施設でしか使用できない。我々は深層学習にて3テスラMR装置の画像から訓練し、7テスラに匹敵する画像の取得を目指す。そして他施設の3テスラのMR画像においても訓練した深層学習を使用可能なよう、アプリケーションの形態での配布を検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究においては、中枢神経系の画像診断に必須となるMRIにおいても、一般に普及しているMRIでは感度が低く、描出能の低下する脳深部の画像の質の改善を行うために、超高磁場のMRIを教師データとして深層学習を応用した画像の生成を試みてきた。大脳深部にある基底核や、視床などの脳深部の構造は、中枢神経系の非侵襲的な画像化に優れるMRIであっても普及しつつある3テスラMR装置での詳細な描出は困難である。そこでこれまで描出能の向上が期待される超高磁場の7テスラMR装置において検討してきた脳深部核の内部構造の描出能を上げる撮像法の検討に加え、さらに深層学習を用いることで、超高磁場の画質に迫る画像を普及している3テスラMRIから生成する事を目指し、教師データの取得と、画像の生成を検討してきた。そのためにこれまで作成してきた画像データの検証を行い、3テスラMR装置において追加の実験を行うことで良好なコントラストを取得するパラメータの設定について検討し、画像生成を試みた。昨年は主にそれらの検証や方針の検討に費やした。現在、SRCNN(Super-Resolution Convolutional Neural Network)やESPCN(efficient sub-pixel convolutional neural network)など畳み込みニューラルネットワーク(CNN)や生成的敵対的ネットワーク(GAN)などのネットワークを利用した画像化の検討を行っており、今後はそれらを活用した画像生成の学習を促す条件の検討、実験の実施が必要であり、次年度も引き続き研究を続行する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究を開始するにあたって、適切なワークステーションを購入し、資料の収集、データの整理、蓄積、解析のためのソフトウェア、ライブラリ等の検討を進めてきた。また情報収集のため関連諸学会に出席し、これまで実施されてきた学会、研究会において、深層学習の応用の例について、過去の報告や撮像に関連する情報の検索や理解を深め、新たな知見を得てきた。その上で、実際の深層学習を用いた画像生成について、実際の撮像の条件、画像データの取り扱い、処理の手順について検討してきたが、ソフトウェアの実装、運用は予定通りに進まず、また、諸条件を考慮した上での実験の実施に取り組むのにまだ検討すべき点、改善すべき点が見られ、予定は遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
MR装置での撮像の手順の検討をあともう少しだけ進め、解析に必要なソフトウェアの実装、運用も進められれば、速やかに被験者による撮像を行い、実験データのチェック、解析を進めていく。逐次、データ処理を進め、発表を予定している。
|