研究課題/領域番号 |
22K07721
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
粟井 和夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294573)
|
研究分担者 |
福本 航 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (00726870)
大下 慎一郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (50508132)
川下 郁生 広島大学, 医系科学研究科(医), 共同研究講座准教授 (70309657)
檜垣 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (80611334)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 胸部CT / 肺野病変 / 深層学習 / 新型コロナウイルス感染症 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、深層学習にRadiomicsを併用することにより学習内容の妥当性を判断でき、 さらに転移学習を利用することにより比較的少数の症例でも学習可能で迅速に臨床に導入できる胸部CT画像の解析ソフトウェアを開発することを目的とする。開発したソフトウェアは、現在、流行しているコロナ感染症のCT画像を解析できるのみならず、将来、未知の肺感染症等が出現した場合も迅速に応用できると期待される。
|
研究実績の概要 |
本年度は、167名のCOVID-19患者のCTスキャンで肺病変を抽出(セグメンテーション)する深層学習アルゴリズムを開発した。まず、肺画像について放射線診断専門医により肺全体とCOVID-19肺炎の範囲についてアノテーションを行い、これを正解画像とした。次にUNet(バックボーンEfficientNet-B3)を使用し、167人のCOVID-19患者のうち129人(77.2%)をトレーニングデータセットに、17人(10.2%)をチューニングデータセットに、21人(12.3%)を評価データセットに含めた。体積の各軸スライスをモデルに入力し、推論時にはスライスごとの予測値を連結し、全容積の予測値を生成した。モデルは、Adamオプティマイザーを用いて50エポック学習した。学習率は3e - 4から始め、検証損失プラトーで0.1ずつ減少させた。学習時にはランダムなデータ拡張を適用し、垂直・水平反転、ランダムな回転、ランダムな輝度コントラスト(輝度制限=0.1、コントラスト制限=0.1)、ガウスブラーを行った。セグメンテーションの精度評価としては、肺全体の自動セグメンテーションと注釈付きセグメンテーションの間、肺病変の2つのセグメンテーションの間、2つのセグメンテーションとCTスキャンの病変比率の間の平均絶対誤差を算出した。その結果、肺全体、肺病変、自動抽出部と医師のアノテーション部分の間のMAEは、それぞれ0.8%、25.5%だった。以上より、本アルゴリズムは,COVID-19患者の肺全体を正確に抽出した。CT画像上の肺病変の同定の医師との誤差は約25%以内であったが、最も広く使われている半定量化法は25%刻みで分類されるためその精度は実用範囲内と考えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最初の課題である肺領域の自動抽出については非常に正確に実行できるソフトウェアを開発できた。肺病変部の同定については実用範囲内まで達した。以上より一年目の目標は概ね達成したと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、肺病変の抽出精度の向上および肺病変の性状分析について機械学習により進める。病変の性状については、教師あり学習および教師なし学習(機械学習による自動分類)を比較し、その双方の利点を分析する予定である。
|