研究課題/領域番号 |
22K07734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
平田 豊 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10441247)
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研究分担者 |
高木 治行 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30378377)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | exosome / microRNA / ガン / 肝動脈塞栓術 / lipiodol / DDS / 無再発 |
研究開始時の研究の概要 |
ガン細胞が分泌するexosomeに内包されるmiR (microRNA)が、発ガンや悪性化に深く関与していることが注目されている。肝動脈塞栓術において、我々の患者血液サンプルを用いたmiR microarray解析で、再発ガン患者だけでなく、無再発ガンの血中のexosomeに特異的なmiRを見出している。そこで、ガンの再発を阻止するmiRを機能的スクリーニングによって同定する。このガン抑制型miRを発現するplasmidを、ガン集積性造影剤・lipiodolの油滴中に内包させたエマルジョンを作製し、ガン細胞に選択的に送達する、新規の抗ガン核酸薬の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
肝動脈塞栓術は、油性造影剤・lipiodolの選択的ガン集積の画像診断下に、塞栓物質で肝ガンの栄養血管を閉塞し、ガンを阻血壊死させる低侵襲の治療法である。切除不能な肝ガンに広く行われているが、再発ガンが高頻度に認められ、悪性化すると治療困難となる。一方で、ガンが完全に消滅する無再発の症例も報告されている。この治療効果の違いには不明な点が多く、新たなアプローチによる治療法の開発が急務である。 近年、ガン細胞が分泌するexosomeに内包されるmiRNA (microRNA)が、発ガンや悪性化に深く関与していることが注目されている。 そこで、ガンの再発を阻止するmiRNAを同定し、lipiodolを用いて、選択的にガン細胞に送達するDDSを開発すれば、肝動脈塞栓術の治療成績向上に寄与できるのではないかという着想に至った。 本研究の最終目的は、ガン抑制型miRNAを発現するplasmidが、lipiodolの油滴中に内包されたエマルジョンを作製し、ガン細胞に選択的に集積する新規の抗ガン核酸薬の開発基盤を構築することである。 これまでに、我々の患者血液サンプルを用いたmiRNA microarray解析から、肝動脈塞栓術の再発ガン患者だけでなく、無再発ガンの血中のexosomeに特異的な21個のmiRNAを見出した。これらのmiRNAの合成mimicの中には、ヒト癌ガン細胞株(HCT116、HuH7) の生存率を50%以下にまで低下させたmiRNAが見出された。現在、このmiRNAの標的遺伝子の網羅的解析が進行中である。 また、無再発メカニズムの経路において、exosomeを介してmiRNAが抗ガン作用をしているかを明らかにすることを目指している。具体的には、exosomeにluciferaseとmCherryを局在させるために、CD63との融合タンパク質を発現するplasmidの作製ができている。今後、in vitroやin vivoで、そのexosomeを取り込んだ細胞において、luciferaseの発光とmCherryの蛍光が検出できるかを検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、肝動脈塞栓術の施術数が未だ回復しないため、患者血液サンプルの入手が困難な状況が続いているので、研究計画の一部が進展していない。 一方で、これまでの患者血液サンプルを用いたmiRNA microarray解析から、肝動脈塞栓術の無再発ガンと再発ガン患者の比較において、異なるmiRNA発現パターンが示された。そして、無再発ガン患者の血中のexosomeに3倍以上多く含まれるmiRNAを21個見出した。その21個のmiRNAのmimicを合成し、lipofectamineを用いて、ヒト癌ガン細胞株(HCT116、HuH7)に遺伝子導入した。それらのガン細胞の生存率を、calcein-AMとPIで蛍光染色して、蛍光イメージングの解析により評価した。その結果、50%以下まで、ガン細胞の生存率を低下させたmiRNAを3つ、見出した。そのうち、最も生存率を低下させたmiRNAを遺伝子導入した細胞において、mRNA microarray解析の進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
ガン細胞の生存率を低下させたmiRNAの標的遺伝子を同定するため、mRNA microarrayを行い、統合解析する。同定した標的遺伝子にガン関連遺伝子や細胞の生存関連する遺伝子が含まれていれば、無再発メカニズムの経路を明らかにするmiRNAとして期待できる。更に、この抗ガン作用のmiRNAを発現誘導できるplasmidを作成し、油性造影剤・lipiodolに内包させたエマルジョンを作製する。このlipiodolのエマルジョンを肝動脈塞栓術の際に、これまでの造影剤と同様に用いることで、選択的に肝ガン細胞に集積させるDDSの開発を目指す。一方で、無再発メカニズムの経路において、exosomeを介してmiRNAが抗ガン作用をしているかを明らかにする。即ち、exosomeにluciferaseとmCherryを局在させるために、CD63との融合タンパク質を発現するplasmidの作製ができている。今後、in vitroやin vivoで、そのexosomeを取り込んだ細胞において、luciferaseの発光とmCherryの蛍光が検出できるか検証する。このplasmidにexosomeに局在する塩基配列を含んだmiRNA発現カセットも搭載させ、ガン細胞の生存率を低下させたmiRNAを内在するexosomeの抗ガン作用の検証をin vivoで行う。
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