研究課題/領域番号 |
22K07737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
山内 可南子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (80740810)
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研究分担者 |
辻口 貴清 弘前大学, 災害・被ばく医療教育センター, 助教 (90737454)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 急性放射線障害 / 敗血症 / 腸内細菌 / 致死線量被ばく |
研究開始時の研究の概要 |
放射線が発見されてから約120年の歴史がある.放射線が関係する事故にって多臓器不全で亡くなった患者は,世界中で約500名いることが報告されている一方,具体的な根治療法の提案がなされた報告はない.本研究計画では,放射線ばく露マウス内における腸内細菌叢の放射線ばく露による変化を明らかにし,便移植を用い,急性放射線障害による敗血症・多臓器不全を抑制・治療する方法を構築する.
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研究実績の概要 |
高線量の放射線に曝露された個体では,放射線感受性である造血幹細胞からなる送血系や上皮幹細胞の充実した腸管は強い損傷を受け,最終的には個体死につながる.本研究では,腸内細菌と腸管上皮の関係及び腸内細菌を利用した治療の有効性について検討する.今年度は,C57BL/6NJclマウスに致死線量のX線を照射し,経時的な腸管上皮の損傷と血中への細菌の流出について検討した.腸管上皮の損傷はカドヘリン及び細胞増殖因子PCNAの蛍光免疫染色を実施し,加えて経口的にFITC標識デキストリンを投与しその血中への流出量を測定することで評価した.また血中への腸内細菌の流出は,グラム陰性桿菌LPSの血中量を測定することにより確認した。その結果、0Gy及び3Gyの致死に至らない照射群では、照射後10日目時点でカドヘリン及び細胞増殖因子PCNAの減衰は確認されない一方で,6.5Gyの致死線量ばく露群で小腸及び大腸でPCNAの消失又は減衰が確認された.血中LPSの測定では,非照射群及び照射群(3,6.5Gy)いずれにおいても,腸内細菌の流出は確認されなかった.したがって照射後10日目時点では,非照射群・照射群共に腸管上皮の構造的破綻と血中への腸内細菌の流出による敗血症は引き起こされていないと示唆される.今後は放射線ばく露後に,急性放射線傷害(ARS)症状の潜伏期以降の腸管上皮傷害及び敗血症リスクについて検討していく.また同時進行にて行ってきた致死線量ばく露マウスの腸内細菌叢の解析では,放射線ばく露後72時間までに照射前の20~70倍のLactbacillus属細菌が大量に体外排泄されていることが明らかとなった。本細菌群が生体内,主に腸管上皮においてどのような作用を示すのか検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究課題は1)腸内細菌叢の調査,2)腸管バリア機能解析・炎症の評価が目標であった.腸内細菌叢の調査では,便DNAを用い細菌の16S rRNA遺伝子を標的とするreal-time-PCRによって各群間細菌属の比較定量を行った.次に腸管バリア機能解析・炎症の評価においては,免疫染色及びFITC経口試験により腸管上皮の損傷について調査することができた.
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今後の研究の推進方策 |
R5年度は昨年度実施したデータをもとに,腸内細菌の分離培養及び便移植実験の予備実験を行う予定である.糞便分離細菌や便の移植により,救命効果や腸管上皮の再生が確認された場合には,投与方法(回数・量・時期)などについて検討していく.また救命・延命効果と腸管上皮及び造血系との関連についても調査していく予定である.
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