研究課題/領域番号 |
22K07739
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡本 嘉一 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90420083)
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研究分担者 |
六崎 裕高 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50550927)
佐渡 夏紀 筑波大学, 体育系, 助教 (60844983)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | プッシュアップ / モーションキャプチャー / 肘関節 / フォースプレート / MRI / 車いすユーザー / 動作解析 / 慣性モーメント |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は肩関節・肘関節・手関節MRIにて車いすユーザーに特徴的な関節変化が出現することを突き止めた。車いすユーザーは褥瘡予防のため、日に何回も「Push up」という動作を繰り返すことが一因とされているが、このような特徴的な変形性関節症がなぜ生じるのか明らかにされていない。本研究は、車いすユーザーの「Push up」という動作をモーションキャプチャーし、上肢および体幹の筋肉量をMRI検査で明らかにした上で、上肢の筋肉と骨・関節における慣性モーメント解析を行い、車いすユーザーの力学的な「動かしにくさ(慣性)」を導くことで関節への負荷因子を明らかにし、車いすユーザーのQOLの向上を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題を実施するにあたり、まず車椅子ユーザーが褥瘡を予防するために行う「プッシュアップ」という動作を、健常ボランティアで再現し、両側肘関節にかかる負荷を定量する方法を考える必要があった。そこで「フォースプレート」と「モーションキャプチャー」いう研究機材を組み合わせて使う事により、肘関節への負荷が計測する方法を考えた。しかしこのうち「フォースプレート」は高額すぎて購入不可能で、筑波大学体育系にあるものを借りて行わざるを得なかった。モーションキャプチャーは研究分担者所有のものを使用した。これにてプッシュアップ時の映像を撮影し、両肘の動作解析を行った。これらにより両肘関節にかかるプッシュアップ時の負荷をベクトルで表現することに成功した。更に同部位をマーキングして、MRI で同じ部位を中心に撮影する、という事を着想したが、体育系と筑波大学附属病院のMRI 室はかなりの距離がある。そのため車で被験者をピストン輸送する形で予備実験を開始した。 体育系にてプッシュアップ時における肘への両肘関節の負荷をフォースプレートにて測定した。モーションキャプチャーのマーカキングを利用し、MRI室まで車で移動、マーキング部分を中心にMRIを撮影した。これを20歳代の男性ボランティア5名で実施した。 ところがこの方法では再現性がかなり低い結果だった。またその原因としては恐らくフォースプレートのセンサーの数であると推定された。現有のフォースプレートでこの研究を行う事は精度に問題があることがわかった。そのため現在安価で購入可能な多数のセンサーを有する機材を探しており国内メーカーでレンタル可能なものを探しレンタル待ちである。 また現在MRI データ具体的には肘関節軟骨の凹凸や関節腔を計測、評価するために、オシリックスというソフトを購入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅延の最大の理由は大学が所有するフォースプレートでこの研究を行うには本研究のような非常に微妙な関節の負荷を計測するにはセンサーの数が少なかった事にある。またフォースプレートは非常に高価で最終的にはレンタルする方法を考えたが、レンタルだと短期間しか使用できず、そのため健常ボランティア全員と車椅子ユーザー対象者全員が集合できかつ機械レンタルできる期間を調整している状態で、研究が止まっている。更に現時点でオシリックスを使用しても軟骨の評価が正確に行われているのか精度の保証がまだできていない。 しかしこちらに関してはいまのところ健常ボランティアのMRIや変形性肘関節症の過去画像などを使って精度検証を行っており、まずまず想定通りの結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
記載のごとく健常ボランティア全員と車椅子ユーザー対象者全員が集合できかつ機械レンタルできる期間を調整することがまず第一段階であり、幸い8月にその機会を設ける事ができる見通しが立っている。 方法論とMRIの解析精度はある程度確立されているため、あとは実際にレンタルした機器の精度がある程度たかければ、本研究の実験自体は終了する。 来年度中に実験終了まで到達したいと考えている。
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