研究課題/領域番号 |
22K07740
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古田 寿宏 東京大学, 医科学研究所, 講師 (20597885)
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研究分担者 |
上山 毅 東京大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (30813406)
阿部 修 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50302716)
越野 沙織 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (50801552)
鈴木 雄一 東京大学, 医学部附属病院, 副診療放射線技師長 (70420221)
加藤 伸平 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (90851387)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 脳画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
コンタクトスポーツであるアメリカンフットボール(以下アメフト)の現場では、外傷性脳損傷(TBI)の発生頻度が必然的に高い傾向にある。受傷者の多くは比較的若年者であり社会的な影響が大きく、現場における認識・対応や安全管理が重要である。 軽症TBIを客観的に診断する方法は未だ確立されていない。本研究では東京大学の全学学生アメフト選手を対象とし、脳MRIから得られる指標と外傷歴や認知機能・運動機能テスト結果を統合的・横断的・縦断的に解析し、コンタクトスポーツが脳の構造・機能に及ぼす影響を調査する。特に、軽症TBIのバイオマーカーとしての神経画像所見が存在するかどうかを明らかにし、その病態解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、MRIを用いてコンタクトスポーツが脳の構造・機能に及ぼす影響を調査し、軽症の外傷性脳損傷(traumatic brain injury: TBI)のバイオマーカーとしての神経画像所見が存在するかどうかを明らかにし、存在するならばその病態解明を目指すことである。 本研究は2019年から開始し、2020年度以降は新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で研究を継続し、現在は、東京大学運動会アメリカンフットボール選手のべ187名のMRIデータを用いた解析を行っている。各種MRI指標から得られた情報は以下の通りである。 静脈奇形などの軽微な病態が3名に見つかっているが、コンタクトスポーツを行うことは問題ないと判断されている。voxel-based morphometry (VBM)やsurface-based morphometry (SBM)による解析では、脳震盪歴のある選手とない選手の間で有意な差は認められなかった。アメリカンフットボールのポジション別による解析では、VBMにおいて、スキルポジションとラインポジションに有意差が認められた。 拡散MRIにおいて、脳内ネットワークを数値化したconnectivity matrixのグラフ解析では、脳震盪歴の有無やポジション別での有意差は認められなかった。TBSSやGBSSにおいて、スキルポジションとラインポジションに有意差が認められた。 SWI撮像によって得られた画像を処理し、標準脳空間上のQSM画像として解析したが、脳震盪の既往による脳磁化率の差異は認められなかった。現時点でMRIによる軽症TBIの客観的診断指標は見つかっていないが、本研究では、コンタクトスポーツ選手の脳機能を評価するために複数の脳MRI指標を用い統計学的に解析する有用性が示せていると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
取得したMRIデータ量が多く、種類も多いため、当初想定していたよりも統計解析自体に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
効率的に研究を進められるよう、解析用デスクトップPCの購入を行う(当初2022年度の購入予定としていたが、選定に時間を要したため)。 今年度の結果から、拡散MRIから得られたデータの解釈や、安静時fMRIの解析に今後は注力する予定である。
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