研究課題/領域番号 |
22K07747
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
元津 倫幸 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70836379)
|
研究分担者 |
山口 雅人 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (10457096)
石原 武明 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (10546477)
佐々木 康二 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10815989)
上嶋 英介 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40645561)
岡田 卓也 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80514786)
清水 康之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命技術員 (80824234)
杉本 幸司 神戸大学, 医学部附属病院, 客員教授 (90314476)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 飽和炭酸水 / 放射線治療 / 放射線増感剤 / 血管内治療 / 放射線増感療法 / 飽和炭酸水動注療法 / 悪性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療の進歩は目覚ましく、高精度放射線治療や粒子線治療により、病巣への高線量照射が可能となった。しかし、放射線抵抗性癌は癌組織内に低酸素環境が存在し、放射線治療に抵抗性を示す。私達のグループでは、飽和炭酸水が癌組織の低酸素環境を改善することで、抗腫瘍効果を発揮することを過去に報告した。そこで飽和炭酸水は放射線抵抗性癌の低酸素環境を改善することにより、放射線増感作用を発揮し、放射線治療の抗腫瘍効果を増強させると仮説を立てた。本研究の目的は、 ウサギVX2肝腫瘍モデルに対して、飽和炭酸水動注療法併用放射線治療の抗腫瘍効果を証明 し、新たな治療法の開発につなげることである。
|
研究実績の概要 |
炭酸ガスは治療抵抗性の癌に対して、腫瘍内部の血流の増加、および低酸素環境を改善し、放射線増感剤として機能する可能性がある。令和4年度の研究の結果、ウサギを用いた放射線照射は、腫瘍深部への放射線が到達せず、実験モデルとして適切ではないと判断し、実験モデルの変更が必要と判断した。そこで今回、マウスを用いた膵癌腫瘍モデルの作成を行った。マウスの大腿部にMIA PaCa-2ヒト膵癌腫瘍細胞を移植し、腫瘍モデルを作成した。生理食塩水にガスボンベを用いて炭酸ガスを溶解させ、PH4.0の飽和炭酸水を作成した。放射線治療は5-Gyを1回照射した。①コントロール、②炭酸飽和水注入、③放射線治療、④飽和炭酸水+放射線治療の4群で比較検討した。④群については、飽和炭酸水の投与から1時間後に、放射線照射を行った。60日後に安楽死、腫瘍細胞の摘出を行い、腫瘍のサイズ、病理組織学的なを評価を行った。 結果) 飽和炭酸水による腫瘍の抑制効果は明らかではなかった。腫瘍組織の壊死やアポトーシスついても有意な差は見られなかった。 考察) 飽和炭酸水投与の至適な条件が設定できていないことが原因と考える。具体的には、① 腫瘍内における飽和炭酸水によるPHの変化、② 低酸素環境の変化が、定量的、定性的に評価できていない。また、③ 炭酸飽和水の腫瘍内での動態が問題である可能性もある。これらを客観的に評価し、至適な治療条件を探索し、治療プロトコールを見直す必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
腫瘍モデルの作成に時間を要した。また社会情勢の影響により、当初予定していた研究の実施が困難であったため、研究の進捗が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
至適な飽和炭酸水の投与条件を検討する必要がある。飽和炭酸水の温度、投与からの時間を変化させ、PHセンサーを用いて腫瘍内のPHの変化を評価する。また、腫瘍内の酸素環境の変化の評価が必要であり、IVISを用いた腫瘍内低酸素イメージング、病理組織学的な評価を検討している。至適な条件を設定した上で、研究計画書に基づき、放射線照射実験を行い、飽和炭酸水による放射線増感作用を評価する計画である。得られた成果は学会等で発表を行う。
|