研究課題/領域番号 |
22K07757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
北島 一宏 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80448860)
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研究分担者 |
山門 亨一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20263022)
甲斐田 勇人 近畿大学, 大学病院, 講師 (40299425)
大崎 洋充 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (90392349)
渡部 直史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648932)
木島 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90372614)
南 俊行 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00705113)
高濱 隆幸 近畿大学, 医学部, 講師 (90716359)
武田 吉人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40452388)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害剤 / FDG-PET/CT / 癌の免疫微小環境 / 糖代謝 / FDG集積 / SUVmax / 治療効果判定 / 治療効果予測 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を治療前あるいは治療開始早期の段階で予測できるバイオマーカーの登場が臨床で切望されている。FDG-PET/CT検査で得られる、SUVやMTVやTLGなどは定量的なイメージングバイオマーカーで、癌の治療効果や予後予測への応用が期待されている。3施設で肺癌患者を対象に、免疫チェックポイント阻害剤の治療前と開始2クール後の2回 FDG-PET/CT検査を行い、FDG-PET/CT が免疫チェックポイント阻害剤治療の効果予測や効果判定における有用なツールになりえるかを多施設共同臨床研究で検証する。
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研究実績の概要 |
当院でFDG-PET/CT検査後に手術を施行した乳癌502例(Luminalが346例、HER2陽性が88例、triple negativeが68例)を後向きに見直し、免疫マーカー(TIL(tumor-infiltrating lymphocytes 腫瘍浸潤リンパ球)やNLR(neutrophil-to-lymphocyte ratio 好中球リンパ球比)とSUVmaxとの関係を調べて、癌の免疫微小環境とFDG集積との関連を調べる研究を行って、成果を論文発表しました。 SUVmaxとTILは正の相関を示し、乳癌の悪性度が高いほど、糖代謝が亢進し、免疫系も亢進する事が判明した。SUVmaxとNLRは負の相関を示し、乳癌の悪性度が高いほど、免疫系が亢進してリンパ球が活性化しNLRが低値になることが明らかになった。また予後との関連を調べると、TILの低い(悪性度の低い、Luminalタイプが多い)317人では、無再発期間と有意に相関するのはSUVmax,T分類,N分類,ERかPRの発現率、TILの高い(悪性度の高い、HER2タイプやtriple negativeタイプが多い)185人では無再発期間と有意に相関するのはN分類のみという結果が得られた事から、①悪性度の低い乳癌(SUVmaxの低い、TILの低い、Luminalタイプが多い)では癌免疫はあまり働かないので糖代謝が予後を決定するのに対し、②悪性度の高い乳癌(SUVmaxの高い、TILの高い、HER2タイプやtriple negativeタイプ)では癌免疫が強く働くので糖代謝は制御されて予後を決定しなくなることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当院でFDG-PET/CT検査後に手術を施行した乳癌502例を後向きに見直し、免疫マーカー(TIL(tumor-infiltrating lymphocytes 腫瘍浸潤リンパ球)やNLR(neutrophil-to-lymphocyte ratio 好中球リンパ球比)とSUVmaxとの関係を調べて、癌の免疫微小環境とFDG集積との関連を調べる研究を行って成果を得られた事は、FDG-PETを用いて免疫チェックポイント阻害剤の治療効果や予後予測を研究する本研究の下地を作れたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
多施設(当施設(兵庫医科大学病院)、大阪大学附属病院、近畿大学病院))で、免疫チェックポイント阻害剤を導入される進行肺癌患者に対し、治療前と導入3サイクル後の2回、FDG-PET/CT検査を施行し、FDG-PET/CTが免疫チェックポイント阻害剤の治療効果や予後予測を行えるかを検証する。
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