研究課題/領域番号 |
22K07771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学研究科, 特命助教(PD) (20707161)
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研究分担者 |
荻野 千秋 神戸大学, 工学研究科, 教授 (00313693)
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
宮脇 大輔 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (30546502)
中山 雅央 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60582004)
椋本 成俊 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (70634278)
清水 康之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命技術員 (80824234)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ナノ粒子 / MPN / 放射線 / DDS / 表面修飾 / 難治腫瘍 / 放射線治療 / 過酸化チタンナノ粒子 / 放射線増感 / 金属ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは放射線と併用することで大量の活性酸素を産生し、放射線増感効果を顕著に増加させる過酸化チタンナノ粒子の開発に成功した。従来の課題であった腫瘍への送達性と生体安全性に対して、申請者らはメルボルン大学のグループが開発したAPS (Antibody Polyphenol System)と呼ばれる技術を応用することで、解決に成功した。本申請において、我々はAPS-過酸化チタンナノ粒子の臨床応用に向け、①多種の抗体に対応したAPSの合成、②各種がん細胞への特異的集積性、③放射線増感効果、④生体安全性の具体的な4課題を評価し、臨床試験を見据えた非臨床試験の準備に取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は外科的切除が困難かつ、放射線や抗がん剤の効果が乏しい進行がんや難治がんに対して、我々が国際共同開発を行っているAPS-過酸化チタンナノ粒子の臨床応用に向けた基礎データを取得することである。この目標達成のために設定した研究項目は①多種の抗体に対応したAPSの合成、②各種がん細胞への特異的集積性の評価、③放射線増感効果の評価、④生体安全性の評価である。このうち当該年度に実施した研究は、「APS-過酸化チタンナノ粒子の粒径とz電位の評価」、「APS-過酸化チタンナノ粒子のTEM画像の撮影」、「APS-過酸化チタンナノ粒子のマウス体内分布の評価」の3項目である。 第一にzetasizerを用いて粒径分布とz電位の測定を実施した。粒径はナノ粒子の表面をantiCD44抗体で修飾した場合でも、修飾しない場合と有意差のないサイズ(100nm前後)であった。z電位に関しても抗体の修飾の有無に関係なく同程度であった。 第二にTEMによる視覚的な評価を実施した。撮影したTEM画像では、antiCD44抗体の修飾による凝集は認められなかった。 第三にAPS-過酸化チタンナノ粒子をマウスに投与した際のナノ粒子の体内分布をIVISを用いて撮影した。ナノ粒子の表面修飾にはantiCD44を用いたので、CD44陽性のMDA-MB-231細胞をマウスに移植し、生着したその腫瘍へのAPS-過酸化チタンナノ粒子の局所投与を実施し、一定時間後にIVISによる撮影を行った。その結果、antiCD44で修飾されていないナノ粒子よりもantiCD44で修飾されているナノ粒子の方が腫瘍部への滞留性が良い傾向が得られている。当該項目に関しては、実施したマウスのn数が少なく統計的に不確かさが残るので、現在も引き続いて実験中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
antiCD44抗体による評価はおおむね順調に進行しているが、動物実験の段階で想像以上に時間がかかってしまい、他の抗体での評価に移行するのがやや遅れている状況である。しかし、antiCD44での評価が全て終わったのちは、同様の評価を他の抗体に対しても実施するだけなので、一気にデータを取得することができると予想している。
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今後の研究の推進方策 |
まずはantiCD44を用いたAPSの評価を終わらせることを最優先にする。その後、antiCD44での評価に用いた手法を他の抗体のAPSでも用いて、加速的にデータを取得する。
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