研究課題/領域番号 |
22K07778
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
臼井 桂介 順天堂大学, 保健医療学部, 講師 (20714132)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 深層学習 / 画像誘導放射線治療法 / 放射線治療学 / 人工知能 / 画像工学 |
研究開始時の研究の概要 |
転移性脳腫瘍に対する定位放射線照射療法は、遅発性脳障害のリスクを低減でき生活の質を保つことができる。本法は治療計画時の輪郭入力と照射位置の精度が治療効果にとって重要であるにもかかわらず、計画用CT画像や位置照合用コーンビームCT画像は脳内構造の視認性が低いことが問題である。そこで深層学習による相互画像変換に着目し、CTおよびコーンビームCTとMRIを相互画像変換したマルチモダリティ画像誘導放射線治療法というアプローチを実現する。本研究により、照射範囲の限局化と照射位置の精度が向上し、正常脳領域へ照射される放射線量の低減が期待され、定位放射線照射療法の副作用の低減と腫瘍制御率の向上が期待できる。
|
研究実績の概要 |
本研究課題では、高精度放射線治療法の照射精度の向上を目指した新しい画像誘導放射線治療法を開発するため、人工知能を用いた画像生成技術の研究を進行している。そのため本研究では、CTおよびコーンビームCTとMRI画像を相互画像変換したマルチモダリティ画像誘導放射線治療法を実現することが目的である。 昨年度は深層学習を用いた画像変換処理に、サイクル敵対生成ネットワークや条件付き敵対生成ネットワークを使用し、その画質変換精度を評価した。その結果、高度な画像変換処理が実現できることがわかった。そのため当該年度の研究計画では、頭部画像に対して本処理を適用するとともに、画像取得時の被ばく線量低減を目指した、投影データ削減の可能性に関して、その画質補正効果も実証する予定であった。 当該年度は昨年度収集した画像データを利用し、条件付き敵対生成ネットワークの画像変換精度を実証した。この評価では、頭部MRI画像の画質改善を試み、その成果を原著論文として報告した。またCTの投影データ削減をシミュレーション計算で構築し、仮想的な少投影CT画像を教師とした深層学習モデルを構築した。その画質改善効果および腫瘍構造の再現性を評価し、一定の成果を得ることができた。さらに、頭部コーンビームCT画像での深層学習のため、仮想的なコーンビームCTを構築するシミュレーション計算を実装し、教師画像の作成と学習モデルの構築を実施することが出来ている。加えて、頭部MRI画像とCT画像との画像変換モデルを作成中であり、その精度向上を目指した研究を進行中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コーンビームCT画像のシミュレーション計算が構築できており、またMRI画像との変換処理のための学習モデルの作成も進んでいるため、おおむね順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
シミュレーションで作成した頭部コーンビームCT画像と従来型のCT画像との画像変換処理モデルを実装し、その画質評価を実施する。ここでは、画像類似度だけでなく、局所的な画素値の整合性を評価することで、放射線治療時の線量計算用画像への利用の可否に関しても明らかにする。さらに照射位置照合に用いた際の正確性を評価することで、コーンビームCT画像の変換処理の有効性を明らかにする。また、MRI画像への変換処理を実施し、位置照合精度への効果および腫瘍構造の描出精度に関しても明らかにすることで、本手法におけるマルチモダリティ画像誘導放射線治療法の臨床への実用性を明らかにする。 さらに、コーンビームCTの投影数を削減した画像に対する補正処理を実施し、上記の画像誘導放射線治療法への実用性を明らかにすることで、放射線治療時の画像照合における被ばく線量の低減化を併用したマルチモダリティ画像誘導放射線治療法の実現を目指す。
|