研究課題/領域番号 |
22K07792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
宇都宮 悟 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50570868)
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研究分担者 |
近藤 世範 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10334658)
中野 永 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20839229)
棚邊 哲史 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80743898)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | VMAT / radiomics / QA / MLC / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではVMATの3次元線量分布のradiomics特徴量を抽出し、その変化量を解析するdelta-radiomicsの手法を用いることで、臨床的インパクトを評価可能な新しいVMATの患者個別QAの方法を開発する。具体的には、線量分布のradiomics特徴量、腫瘍制御確率(TCP)、正常組織有害事象発生確率(NTCP)のそれぞれの変化量を学習データとし、VMAT患者個別QAで検出されたradiomics特徴量の変化量からTCP値とNTCP値の変化量を予測する機械学習モデルを構築し、その予測精度を臨床使用可能なレベルまで向上させることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、delta-radiomicsの手法を応用して機械学習モデルを構築することにより、臨床的インパクトを考慮したVMATの患者個別QAシステムを開発することである。2022年度は、前立腺模擬ファントムを用いて機械学習モデルの作成を行い、MLC位置誤差(偶発誤差)が発生した場合のTCPの変化量を線量分布のradiomics特徴量から高い精度で予測できることを示した。詳細は下記に記載する。 治療計画装置を用いて様々なサイズの前立腺がんのターゲット・正常臓器を模した模擬輪郭を9種類作成した。それを基に、臨床基準を満たすようなVMATプランを54個程度作成した。専用のソフトウエア「Pyradiomics」を使用して作成した治療計画の線量分布のradiomics特徴量を851個抽出した。また、同VMATプランのDVHから前立腺ターゲットの腫瘍制御確率(TCP)を計算した。また、同VMATプランにMLC位置誤差(標準偏差が1 mm及び2 mmの偶発誤差)を人為的に与えた「エラー付与プラン」を作成し、その場合のTCPも計算した。TCPについて、元のプランと「エラー付与プラン」の間の変化量(ΔTCP)を計算した。ΔTCPを目的変数、radiomics特徴を説明変数として、Pythonを用いて機械学習モデルを作成した。Lasso回帰を用いて特徴量選択を行い、機械学習モデルのアルゴリズムはPyCaretを用いて18個の結果を比較した。その結果、kNN、Extra trees、Bayesian ridgeで特に高精度のモデルが作成でき、テストデータセットでRMSE:約0.2%、決定係数:約0.6を達成できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大きな問題も無く、概ね当初の予定通り研究を遂行できた。radiomics特徴量や機械学習モデルを当初の予定より網羅的にサーチできたのは、大学院生の協力があったことが大きかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、引き続き他の種類の誤差(MLC位置の系統誤差、MU値の誤差、MLCモデリングにおける誤差など)が生じた場合でも、ΔTCPに対して同様の予測精度が達成可能かどうかの検証、実際に臨床使用されたVMATを使った検証、正常組織有害事象発生確率(NTCP)の予測の可否の検証、等を順次行っていく予定である。
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