研究課題/領域番号 |
22K07794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大野 直樹 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30642219)
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研究分担者 |
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 磁気共鳴イメージング / 局所脳血流量 / 速度補正拡散イメージング / 位相コントラスト / 脳血流 / 拡散イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は拡散磁気共鳴イメージング(MRI)において,独自の画像解析法により血流と水分子拡散情報を一度に取得できる血流・水分子拡散同時測定法を開発してきた.当該手法で取得可能な血流情報(血流成分の拡散係数)は血流量の相対値であるため,真の定量値を取得できれば臨床画像検査における有用性がさらに高まる.本研究では,拡散MRIによる血流・水分子拡散同時測定法に位相コントラスト法と完全自動画像解析法を組み合わせて,簡便かつ短時間に局所脳血流量の定量画像を取得する手法を確立し,中枢神経系疾患の診断や治療効果判定などに役立てる.
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研究実績の概要 |
本研究は、独自に開発した磁気共鳴イメージング(MRI)による血流・水分子拡散同時測定法と位相コントラスト法を組み合わせることによって、簡便かつ短時間で局所脳血流量(rCBF:regional cerebral blood flow)の定量画像を取得する手法(DIP:diffusion imaging with phase-contrast)の確立を目指す。本手法は急性期脳梗塞や脳腫瘍などの中枢神経系疾患の診断や治療効果判定に役立つと考えられ、放射線被ばくのない非侵襲的な脳血流測定法として広く普及することが期待される。 DIP法では、脳実質の拍動が拡散係数の過大評価やアーチファクトの原因となるため、算出したrCBFの定量性が低下することが課題であった。この課題に対して、速度補正拡散傾斜磁場を使用すれば、脳実質の速度運動によって生じる位相分散を再収束させ、アーチファクトを低減可能であると考えた。そこで令和4年度は、DIP法に速度補正拡散傾斜磁場を加えたmodified DIP(mDIP)法を開発し、健常ボランティアにおいて検討した。 mDIP法のrCBF画像は、従来のDIP法において脳実質の一部にみられたアーチファクトが低減し、arterial spin labeling(ASL)と同様のrCBF画像を取得できた。脳の灰白質では、mDIP法における拡散係数の計算精度はDIP法よりも有意に高かった。また、mDIP法とASL法のrCBFには灰白質で強い正の相関がみられた(R=0。86)。さらに、mDIP法によって算出した灰白質と白質のrCBFは[15O]-H2O PETを用いて評価した文献値と概ね一致した。 以上の結果より、mDIP法は脳の拍動によるアーチファクトを低減し、DIP法よりも正確にrCBFを定量可能であるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
磁気共鳴イメージング(MRI)を用いた血流・水分子拡散同時測定法と位相コントラスト法を組み合わせたDIP法を開発し、局所脳血流量(rCBF)の定量画像を非侵襲的に取得することを目指した。しかし、DIP法では脳実質の拍動が拡散係数の過大評価やアーチファクトの原因となり、rCBFの定量性が低下することが課題であった。この課題に対して、速度補正拡散傾斜磁場を使用すれば、脳実質の速度運動による位相分散を再収束させ、アーチファクトを低減することが可能である考えた。そこで、DIP法に速度補正拡散傾斜磁場を加えたmodified DIP(mDIP)法を開発し、健常ボランティアにおいて検討した。 mDIP法は従来のDIP法に比べアーチファクトが低減し、arterial spin labeling(ASL)と同様のrCBF画像が取得可能であった。また、mDIP法における拡散係数の計算精度はDIP法よりも有意に高く、mDIP法とASL法のrCBFには強い正の相関が認められた。 以上より、新たに開発したmDIP法は脳実質の拍動によるアーチファクトを低減し、DIP法よりも正確にrCBFを定量可能であることから、本研究は概ね予定通り進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
脳実質の拍動には速度成分に加えて加速度成分も含まれている可能性があるため、加速度補正傾斜磁場を加えることによって定量精度がさらに向上するかを検討する予定である。また、本研究で得られた研究成果を社会に向けて広く発信するために、国際会議を中心とした学会発表や欧文誌への論文投稿を行う予定である。
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