研究課題/領域番号 |
22K07800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
西嶋 剣一 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60364254)
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研究分担者 |
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
趙 松吉 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80374239)
水野 雄貴 北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (90805194)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 治療用放射性薬剤 / 癌 / チミジンホスホリラーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
新しい治療用放射性薬剤At-211標識AIMUの開発のため、以下の基礎的検討を3年間にて実施する。1)At-211標識AIMUの合成法の確立、2)培養細胞を用いた検討:細胞へのAt-211標識AIMUの取り込みを確認、異なる放射能量のAt-211標識AIMUを培養細胞に添加し、細胞の生死判定を評価、3)動物を用いた検討:正常および腫瘍移植マウスにAt-211標識AIMUを投与し、体内動態および治療効果を検証する。これらの結果からAt-211標識AIMUの治療用放射性薬剤としての可能性を基礎的に評価する。
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研究実績の概要 |
核医学治療は、細胞殺傷性を有する放射線を放出する放射性同位元素(RI)により標識された化合物(治療用放射性薬剤)を体内に投与し、体の内側からがんを殺傷する治療である。我々は、これまでに腫瘍の血管新生、浸潤、転移と関連がある血管新生因子(PD-ECGF)を標的とした新規腫瘍イメージング薬剤I-123標識IIMUを開発した。このI-123標識IIMUは細胞および動物実験により有用性および安全性を評価し、北海道大学病院においてFirst in human試験が実施された。 今回、腫瘍診断薬剤として開発した化合物ウラシル誘導体IIMUをα線放出核種であるAt-211へ展開し、治療用放射性薬剤At-211標識AIMUの有用性を基礎的に明らかにすることを目的として以下の検討を実施した。 本学にて製造、精製されたAt-211溶液を用い、塩基性条件下、酸化剤を添加することにより再現性良くAt-211標識化が進行した。目的物であるAt-211標識AIMUに関して、放射能検出器付きLC/MS/MSによりその生成を確認することおよびモデル動物にて治療効果実験を遂行するために、昨年度に引き続きAt-211の放射能量を増加し、放射化学的収率の向上、収量の増加を試み標識化実験を実施した。その結果、再現性良くAt-211標識物は得られたものの放射化学的収率の向上は見られなかった。また得られたAt-211標識物の放射化学的純度は平均60%と低いものであった。現在、放射化学的収率の向上及び安定性の維持する方法および精製方法の見直しを検討している。一方、研究分担者の所属する施設へのAt-211の供給(譲渡)は継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的物であるAt-211標識体を再現性良く得られた。基礎実験に使用しうる放射能の確保のため、放射化学的収率の向上、収量の増加および得られたAt-211標識体の安定性の向上を目指したが、原料であるAt-211の放射能を増加させると放射化学的収率が低下し、得られる収量も変わらなかった。さらにAt-211標識体の安定性は低く、動物実験に必要な放射能を確保できない状況のため、やや遅れていると判断した。またLC/MS/MSを用いAt-211標識AIMUの確認も放射能濃度が低いことまた化合物の不安定さから確認できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
目的物であるAt-211標識体の安定性を維持および精製方法の改善を検討する。また引き続きLC/MS/MSを用いAt-211標識AIMUであることの確認、細胞を用いた取り込み実験を継続して実験し、有用性を確認していく。
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