研究課題/領域番号 |
22K07804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
仲田 栄子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (60375201)
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研究分担者 |
小林 純也 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (30301302)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線防護 / 放射線増感 / クルクミンアナログ / 化学放射線療法 |
研究開始時の研究の概要 |
Shibataらによって創薬されたCurcuminアナログはCurcuminに比べて高い抗腫瘍効果をもつことが報告されている。申請者らはCurcuminアナログを用いた研究で、正常組織に対して高い放射線防護効果を持つ一方で、最近の実験ではこのDrugが腫瘍に対して放射線増感効果を示すことがわかった。本研究ではこのDrugが、Curcuminと比較して放射線増感効果が大きいのか否かを含め、上述の性質を詳しく調べることで、生体内においてこのDrugが、正常細胞とがん細胞とをどのように識別し、放射線防護と放射線増感の方向に導くのか、そのメカニズムを解明したいと考えている。
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研究実績の概要 |
本研究はCurcuminアナログの腫瘍に対する放射線効果とその分子生物学的なメカニズムを調べ,正常細胞の放射線防護効果のメカニズムと比較する事でこのDrugが個体内の細胞をいかにして放射線増感と防護の方向に振り分けるのかを解明する事を目的としている.2022年度はCurcuminアナログがヒト結腸癌細胞株DLD-1に対してどのような放射線効果を持つのかをClonogenic Cell Survival Assay(CSA)法を用いて検証した.2022年度においては所持する3種のCurcuminアナログ(GO-Y030、GO-Y022、GO-Y078)のうち,GO-Y022を用いてCSAを行った。DLD-1細胞を3μM, 5μMでそれぞれ24時間, 48時間インキュベートさせた後,1~8Gyのエックス線照射を行いその生存割合を求めた.その結果,GO-Y022はDLD-1を放射線から防護する方向に働いている事,その効果は濃度依存的・時間依存的に働く事が明らかとなった.残りのGO-Y030,GO-Y078については,GO-Y022と同様に腫瘍細胞に対する放射線防護効果を持つのか否かを調べるため,現在MTTassay法によりIC50を求め,続くCSA解析を実施途中である.2022年度の研究を含むこれまでの我々の研究においてCurcuminアナログはマウスの正常組織,および腫瘍細胞に対して共に放射線防護効果を持つということが明らかとなった.しかしCurcuminにおいては正常組織に対しては放射線防護効果を,腫瘍組織に対しては放射線増感効果を持つという性質が数多く報告されている.この違いの原因となるものを解明していく事で放射線防護と増感を決める部分の核心に迫れる可能性が出てきた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回の研究が遅れている原因としては二つある.まず2022年度は世界的な原材料不足となっており,一部試薬入荷が著しく遅れていたため,その間の実験がストップしていた。二つ目の理由として,今回の研究材料であるGO-Y022はCurcuminの類似体であるが,Curcuminについては正常組織に対しては放射線防護効果を,腫瘍組織に対しては放射線増感効果を持つという性質が数多く報告されている.我々が過去において,Curcuminのアナログがマウスの正常組織に及ぼす放射線影響を調べたところ,正常組織(小腸Crypt cell)において放射線防護効果を示すデータが得られている.したがって今回腫瘍細胞株であるDLD-1に対してCurcuminのアナログであるGO-Y022を作用させた場合,放射線増感作用を示すものと予測していた.しかしその結果は予測に反し,GO-Y022が腫瘍細胞においても放射線防護効果を示すデータが得られた.その結果の正確性を確認するため何度か追試験を行ってきた.そのため当初の予定である2022年度中にすべてのアナログに対しCSAを行って放射線の増感あるいは防護効果を確認するという作業が遅れてしまった.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の研究を含むこれまでの我々の研究においてCurcuminアナログはマウスの正常組織,および腫瘍細胞に対して共に放射線防護効果を持つということが明らかとなった.しかしCurcuminにおいては正常組織に対しては放射線防護効果を,腫瘍組織に対しては放射線増感効果を持つという性質が数多く報告されている.この違いはどこにあるのか.それを解明していく事で放射線防護と増感を決める部分の核心に迫れる可能性が出てきた. したがって2023年からの研究では,当初の予定通り所持する全てのアナログ体の放射線防護作用についてCSA法で調べ,一番効果の高いDrugにおいてその作用の分子生物学的なメカニズムを調べていくことに加えて,新たにCurcuminにおいても同様の実験を行うこととする.それを実施する事で両者のDrugが腫瘍細胞に及ぼす放射線影響のメカニズムの違いを明らかにしていくつもりである.作用メカニズムを調べる方法については,今までの研究計画通り以下の二つの方法で実施する. ①Drugが細胞周期にどう影響し放射線増感効果を示すのかを明らかにする:培養細胞にDrugと放射線照射でtreatmentを行い,フローサイトメトリーを行い、放射線とDrugが細胞周期に及ぼす影響を調べる. ②Drugと放射線が細胞のシグナル伝達経路に及ぼす影響を明らかにする:培養細胞にDrugと放射線照射でtreatmentを行い,Western Immuno Blotting Assay法を用いて調べる)特にapoptosis関連,放射線感受性,修復に関わるシグナリングを中心に調べる.
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