研究課題/領域番号 |
22K07807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
前林 勝也 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60332350)
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研究分担者 |
桐山 智成 日本医科大学, 医学部, 講師 (80619205)
秋本 裕義 日本医科大学, 医学部, 助教 (10719024)
佐藤 吉隆 日本医科大学, 医学部, 助教 (50817517)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 肺機能温存放射線治療 / 肺癌 / 放射線治療 / 肺機能 / 強度変調放射線治療 / 放射線肺臓炎 / 換気・血流シンチ / 呼吸機能低下 |
研究開始時の研究の概要 |
肺内の部位による呼吸機能の違いと放射線照射前後の肺内の部位による呼吸機能の変化を把握することで、照射される肺内の影響が大きい部分を見出すことを本研究の目的とし、最終的な目標には、肺への放射線照射による影響を低減することで有害事象の軽減を図り、さらには照射範囲が広くても根治を期待した線量が投与可能な照射法を開発することにした。本研究の方法としては、換気血流シンチグラフィ-SECT/CTやperfusion CTにより放射線照射前の肺の換気・血流の肺内の障害部位を把握し、その部位を含めた肺内の照射部位とその部位の投与線量による放射線による肺障害について評価していく。
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研究実績の概要 |
手術可能な非小細胞肺癌の標準的治療は肺葉切除+肺門・縦郭リンパ節郭清である。しかし、放射線治療では原発巣のある肺葉全体を照射することなく、原発巣を十分に含めた範囲+肺門・縦郭リンパ節領域を照射範囲とするため、原発巣の発生部位により照射範囲が大きく異なる。また、胸部照射時の呼吸機能低下を軽減するには20Gy以上照射される肺の範囲を広くしないことが重要なのは広く知られているが、多発性脳転移への全脳照射時には、認知機能低下を軽減するには両側海馬の照射線量を低下させるのが重要であるとされているが、呼吸機能低下を低減することが可能な肺野の部位についての十分な検討がなされた報告はない。そこで、今回の研究では、原発巣とその周囲を十分に含めた範囲への照射について、肺機能低下を極力低減するために、正常肺のどの範囲の線量を低減させるのが最適かを見出すことにした。 しかし、最近になり、リンパ節領域への照射範囲について、予防的に対側縦隔や鎖骨上窩リンパ節領域を含むのか、あるいは、FDG-PET/CTのリンパ節転移部分のみとするのか、が議論となっている。そこで、この研究を倫理審査委員会に申請する前に、原発巣の照射法を検討にするために、過去のデータを用いて予防的リンパ節照射の有無により生存率と有害事象について検討した。結果は、予防的なリンパ節領域を照射したかどうかで、無増悪生存率や全生存率で有意な差異はなく、さらにGrade3以上の肺機能にも差異は明らかにできなかった。この結果をうけて、今回の研究には、治療前にFDG-PET/CTを施行し、FDG-PET/CTのリンパ節転移部分のみに放射線治療を実施した症例を対象にし、肺機能の評価法を申請書から若干の修正を加えて研究を行うことにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時よりも研究費が削減されたため、申請時のとおりの研究対象者数での研究実施が難しくなったため、対象症例の削減について、過去の症例の再度の調査と検討が必要になった。さらに、その追加検討の結果で、Grade3以上の高度な肺機能低下の有無について照射範囲の多寡で差が見られなかったため、肺機能の評価法を申請時から修正することにした。これらの変更があったため、研究の進捗状況はやや遅れているものの、学会に参加することで胸部照射時の肺機能低下に関して新らたに得ることができた知見と本学での新たな解析結果を含めた研究計画書の作成と倫理審査委員会への申請をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗は遅れているが、倫理審査委員会で承認されれば、対象症例の集積が可能となる。しかし、治療開始前にFDG-PET/CTが施行された根治的化学放射線治療の適応となる非小細胞肺癌症例の集積が、この遅れてしまった研究進捗期間の分を短縮できるかは微妙であり、研究期間の延長が必要となる可能性がある。
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