研究課題/領域番号 |
22K07810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
小林 茂樹 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (80215326)
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研究分担者 |
喜島 祐子 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60381175)
塚本 徹哉 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00236861)
林 裕晃 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30422794)
小林 正尚 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (80720979)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | エネルギー帯域 / ビームハードニング補正 / 物質弁別画像 / 実行原子番号 / シミュレーション / ポワソンノイズ / キャリブレーションカーブ / 石灰化強調プログラム / MTF / エネルギー積算画像 / Photon Counting / Mammography / Breast Cancer |
研究開始時の研究の概要 |
今回の研究で用いる撮像装置は非破壊検査用途や医療用途で広く応用が期待されている比較的新しい技術である。この技術により連続X線スペクトルの情報を活用すると、低い線量でX線撮影画像の濃淡(コントラスト)情報が得られるだけでなく、元素レベルでの高精度物質同定(実行原子番号算出)が可能である。本技術を用いて、現在までの乳房X線撮影装置では検出が難しいとされる、相対的に乳腺組織の占める割合が多いDense Breast(高濃度乳房)における乳がん病変の検出が可能な新しい乳房X線撮影装置の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
倫理審査委員会承認に基づく本研究は、目標の220例に対し現在194例の撮像データ収集を完了している。研究計画書に基づく2023年度に行った研究成果を以下に示す。 (1) 乳房内における乳腺/脂肪比の高精度測定 (2) Dense Breastにおける腫瘍検出能の評価 (3) 微小石灰化検出能の評価:(1)~(3)に関し、フォトンカウンティング技術を応用した定量的な解析法として実行原子番号の推定が可能な点であり、実行原子番号推定技術の確立が重要である。2023年度は物質における実行原子番号の高精度推定技術確立を目標とした。実行原子番号推定にあたり、シミュレーションによる統計誤差を考慮した適切な閾値設定の検討において、ビームハードニング補正を適切に行い、十分な光子数(100万カウント)を確保し、閾値を29~45kevの間に設定すれば、物質の種類、厚さおよび管電圧に依存せず実行原子番号(Z)を±0.5以内の精度で推定できることを明らかにした。次に乳腺組織および脂肪組織を模擬したファントムを用いて、実測により作成したキャリブレーションカーブから、乳腺組織に近い既知の物質における実行原子番号の推定が±0.2の範囲で可能であることを明らかにした。この時点で、脂肪および乳腺組織が混在した状態において実行原子番号の高精度推定、実行原子番号画像作成の基礎技術が確立した。 (4) 画素サイズの変更による画質の評価:検証済である (5) トモシンセシス画像の作成に関する検討:画像作成法について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
評価機によるデータ収集目標は年度内に完了可能となっている。2023年度に目標とした実行原子番号高精度推定技術確立により、研究計画書に基づく(1)乳房内における乳腺/脂肪比の高精度測定、(2)Dense Breastにおける腫瘍検出能の評価、(4)画素サイズ変更による画質の評価については概ね目標を達していると考える。(3)微小石灰化検出能の評価については、エネルギー積算画像レベルでの評価は完了しているが、石灰化を対象とした実行原子番号推定技術確立は2024年度の研究目標とし、(5)については更なる検討を要する技術である。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題とした(3)微小石灰化検出能の評価について、石灰化レベルの実行原子番号推定技術確立を2024年度中に目指す。さらに乳癌に特徴的な石灰化において、フォトンカウンティング技術による高精度実行原子番号推定技術の有用性も併せて検討したいと考えている。(5)トモシンセシス画像作成については、更なる研究期間を要する可能性が高く、研究計画変更もしくは延長を検討する必要がある。
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