研究課題/領域番号 |
22K07823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上野 健太郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (20644892)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 川崎病 / 冠動脈瘤 / 自然免疫 / 組織障害関連分子パターン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒト冠動脈内皮細胞 (HCAEC)とLCWE川崎病モデルマウス (C57BL/6J)を用い、川崎病における活性化HMGB1の 1) 放出阻害(ステロイド製剤やアスピリン以外の抗炎症薬(COX-2阻害薬))、2) 中和・吸着(HAT阻害薬 (Anacardic Acid、Garcinol) やトロンボモジュリン)、3) 受容体ブロック(ヘパリン)、を枢軸とした宿主自然免疫応答制御ついて、分子生物学的機序を明らかにし、新たな治療戦略を開発するための基盤となる重要な研究である。
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研究実績の概要 |
背景:HMGB1を枢軸とした宿主自然面系応答の制御を念頭に、川崎病冠動脈病変を減らす新たな治療戦略を開発することを目的とする。方法:5週齢の雄マウスにLactobacillus casei cell wall extract (LCWE) を腹腔内投与し、川崎病モデルマウスを作成した。免疫グロブリン(IG)をLCWE注射後5日目に投与した。川崎病モデルマウス群は、無治療群 (PBS投与群)、IG投与群、IG+抗HMGB1抗体 (aHMGB1) 投与群の3群に分類し、マウス心臓切片の病理組織、心臓組織中のサイトカインmRNA解析、血漿中の炎症性サイトカイン発現量を評価し比較した。結果:(病理組織)IG群およびIG+aHMGB1群は無治療群と比較して、有意に冠動脈周囲のマクロファージの浸潤、外弾性板の断裂、中膜平滑筋層の増生が抑制された。(心臓組織サイトカインmRNA解析)無治療群ではIL-1β、IL-6、TNFα、VEGF-A、RANTESの発現量が増加したが、IG群およびIG+aHMGB1群ではこれらの発現量が有意に低下した。(血漿中の炎症性サイトカイン発現量)IG群およびIG+aHMGB1群は無治療群と比較して、IL-1βやTNF-αなどのサイトカインレベル(それぞれP<0.001)、MCP-1やRANTESなどのケモカインレベル(それぞれP<0.001)を抑制した。IG群とIG+aHMGB1群の比較では、各種サイトカインレベルに差は認められなかったが、MCP-1やRANTESは、IG+aHMGB1群でIG群と比較し有意に抑制された(P<0.001、P=0.009)。結果:免疫グロブリンに抗HMGB1抗体を併用することで、従来の免疫グロブリン療法と比較し、細胞外HMGB-1を中和し、MCP-1やRANTESを減少させることで、川崎病血管炎を緩和する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験結果の再現性を確認するために、複数回にわたり再実験を行った。確認、解析に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
私たちは、川崎病冠動脈病変を抑え遠隔期の心後遺症を減らすため、HMGB1を枢軸とした宿主自然免応答の制御機構が重要と考え、新規治療薬の開発に有望と考えている。①活性化HMGB1の放出阻害、②HMGB1の中和・吸着、③HMGB1受容体のブロック、を念頭に、①ステロイド製剤や抗炎症薬、②ヒストンアセチル化酵素 (HAT)阻害薬やトロンボモジュリン (TM)、③ヘパリンやヘパラン硫酸鎖ならびにその構造誘導体、に着目した。 わたしたちはこれらの薬物が宿主自然免応答制御の新たな治療薬候補となると仮説を立て、検証していく。
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