研究課題/領域番号 |
22K07825
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
大曽根 眞也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60708717)
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研究分担者 |
柳生 茂希 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10572547)
家原 知子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20285266)
今村 俊彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30444996)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | CAR-T細胞療法 / JAK阻害剤 / 急性リンパ性白血病 / KMT2A再構成 / ピギーバックトランスポゾンベクター / CD19 / FLT3 / CAR-T療法 / 乳児 |
研究開始時の研究の概要 |
現在でも予後不良である乳児期発症のKMT2A再構成急性リンパ性白血病(KMT2A-R ALL)に対する、より治療効果の高いCAR-T細胞療法を開発する。先行研究で開発したFLT3 CAR-Tの抗原認識部位と共刺激因子を改変し、dual CAR-TのCARコンストラクトを改変することによって、改良型CAR-Tを作成し、その抗腫瘍効果をin vitroとin vivoで検討する。
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研究実績の概要 |
これまで作成したCAR-T細胞の効果を向上させるため、併用薬の開発を試みた。JAK2遺伝子変異を伴うALLではJAK阻害剤が有効だが、JAK1/3はT細胞受容体の下流分子で、汎JAK阻害剤はCAR-T細胞の活性化を阻害しうる。そこでJAK2特異的阻害剤とCAR-T細胞を併用し、CAR-Tの抗腫瘍効果が向上するか検討した。 JAK2変異を持つALL細胞株(KOPN49, YCAB5)、JAK2変異のないALL細胞株(REH)を、汎JAK阻害剤ルキソリチニブ、Type I JAK2阻害剤フェドラチニブ、Type II JAK2阻害剤CHZ868で処理した。いずれもKOPN49とYCAB5には抗腫瘍活性を示すも、REHには抗腫瘍活性がなかった。CD19 CAR-T細胞はどの細胞株にも強い抗腫瘍活性を示した。これら細胞株をルキソリチニブ、フェドラチニブ、CHZ868存在下でCD19 CAR-T細胞と共培養すると、ルキソリチニブはCAR-Tの抗腫瘍活性を抑制したが、フェドラチニブとCHZ868は抑制しなかった。またフェドラチニブやCHZ868存在下で、ALL細胞株とCD19 CAR-T細胞を連続共培養すると、CHZ868はJAK2変異の有無に関わらずCAR-Tの抗腫瘍効果を相乗的に向上させ、CAR-T細胞のトランスクリプトーム解析でCHZ868処理群では、メモリーT細胞関連やT細胞自己複製に係るリボソーム蛋白関連遺伝子の発現が亢進していた。さらにREH担癌マウスに対するCD19 CAR-T細胞のin vivo試験で、CHZ868併用群は非併用群と比べ抗腫瘍効果が向上し生存期間が延長した。 CHZ868はCAR-T細胞の抗原刺激による過剰活性化と分化を抑え、メモリー機能や自己複製能を維持し、連続的な抗原刺激でも抗腫瘍効果を維持すると推察され、CAR-Tとの併用の有効性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的を更に発展させ、CAR-T細胞の薬効を向上させる併用療法の開発に着手できているため。
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今後の研究の推進方策 |
CAR-T細胞の過剰活性化と免疫疲弊を抑制しうる併用薬の開発と、CD19/FLT3 CAR-T細胞との併用効果について検討をすすめていく。
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