研究課題/領域番号 |
22K07829
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
西小森 隆太 久留米大学, 医学部, 教授 (70359800)
|
研究分担者 |
高橋 知之 久留米大学, 医学部, 准教授 (20332687)
粟屋 智就 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (20589593)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | Aicardi-Goutieres症候群 / Ⅰ型インターフェロン / ミクログリア / 自然免疫 / iPS細胞 / IFIH1 / 1型インターフェロン |
研究開始時の研究の概要 |
エカルディ・グティエール症候群(AGS)は脳内石灰化を伴う脳症で発症し、凍瘡様皮疹を伴う自己炎症性疾患である。Ⅰ型インターフェロン過剰産生が病態として推定されているが、中枢神経系の炎症の分子機序は未解明で治療法が未確立である。本研究ではIFIH1疾患特異的iPS細胞からミクログリアと神経系細胞(ニューロン・アストロサイト)を分化誘導・共培養する系、脳オルガノイド系を構築、中枢神経系炎症を解析、中枢神経系炎症の分子機序を解明する。さらにTREX1変異によるAGSにおいて同様の解析を行い、AGSの中枢神経系炎症の分子機序解明を試みる。
|
研究実績の概要 |
エカルディ・グティエール症候群(Aicardi-Goutieres症候群(AGS))は脳内石灰化を伴う脳症で発症し、凍瘡様皮疹を伴う自己炎症性疾患である。原因遺伝子としてIFIH1,TREX1,SAMHD1,RNASEH2A,RNSAEH2B,RNASEH2C,ADAR, LSM11,RNU7-1の9遺伝子が同定されⅠ型インターフェロン過剰産生が病態として推定されているが、中枢神経系の炎症の分子機序は未解明で治療法が未確立である。Ifih1変異AGSマウスモデルの検討からミクログリアが中枢神経系炎症に重要である事が知られている。本研究ではIFIH1疾患特異的iPS細胞からミクログリアと神経系細胞を分化誘導・共培養する系などを用い、AGSの中枢神経系炎症の分子機序解明を試みる。 R4年度の成果として、IFIH1変異iPS細胞からミクログリア分化系の開発に成功した。患者由来iPS細胞由来ミクログリアは正常コントロールiPS細胞由来ミクログリアに比べて、Ⅰ型インターフェロンの発現が亢進していた。続いて、サイトカイン産生能、遺伝子発現プロファイル解析に着手した。 また、ミクログリアはマクロファージ系細胞である。作成が技術的に容易ではないiPS細胞由来ミクログリアを補完する目的で、マクロファージ細胞株(iPS-ML)での実験も行い、正常ならびに同患者由来iPS-ML由来マクロファージを作成した。Ⅰ型インターフェロン関連遺伝子発現を検討したところ安定した結果が得られず、レトロエレメント等のIFIH1に対する刺激物質を用いた系など、解析系の改良を要することが判明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iPS-ML細胞由来マクロファージでの解析系は改良を要するものの、患者由来iPS細胞からミクログリアを作成できたため、概ね予定通り進捗している。
|
今後の研究の推進方策 |
R5年度は患者iPS細胞由来ミクログリアと神経系細胞の共培養系を構築し、予定通り研究を進めていく。また、iPS-ML細胞由来マクロファージの系でもIFIH1の刺激物質とされるレトロエレメントによる刺激などにより、患者iPS-ML細胞由来マクロファージでの安定したⅠ型インターフェロン産生の亢進を誘導する系の確立をめざす。
|