研究課題/領域番号 |
22K07840
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鈴木 博 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (00401737)
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研究分担者 |
小澤 淳一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (00835324)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | QT延長症候群 / 学校心臓検診 / T波形 / QT間隔 |
研究開始時の研究の概要 |
学校心臓検診を受けた児童生徒と遺伝子診断された先天性QT延長症候群(以下LQTS)症例を対象に以下を行う。 1)学校心臓検診を受け、心疾患のない児童生徒の、性別や体格変化とQT間隔とT波形の経年変化の関連を検討し、QT間隔とT波形の経年変化の標準値を策定する。 2)LQTS症例の学校心臓検診心電図を収集し、QT間隔とT波形の経年変化の遺伝子型や性別による違いを検討する。 3)QT間隔が正常範囲内であったLQTS症例と、それと同等のQT間隔の延長(以下QT延長)をもった学校心臓検診群の正常者を比較し、QT延長所見のみでは診断困難であった症例も診断可能とする成長期のLQTSの新規診断基準を策定する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、成長期のデータに基づいた成長期独自の先天性QT 延長症候群(以下LQTS)診断基準の作成である。そのために学校心臓検診を受けた健常小児(:学校心臓検診群)とLQTS小児例の心電図を比較検討する。 今年度は、両群の症例登録すすめた。学校心臓検診群では予定通り、1357例を新規登録し、2018年からはのべ7085例のデータとなった。LQTS小児例では、魚沼基幹病院と新潟大学医歯学総合病院で計64例を登録した。学校心臓検診群のデータベースは、1)心電図画像用と2)数値・文字情報用に分かれていたが、今年度、これを統合したデータベースが構築できた。 さらに得られたデータを元に、学校心臓検診で抽出されるQT延長者や診断されるLQTSの成長に伴う心拍補正QT間隔(以下QTc)の変化を検討した。学校心臓検診で心電図を、小1と小4に記録した490名:A群と、小4と中1で記録した489名:B群を対象とした。QT延長の抽出基準をA群ではFridericia補正のQT間隔 (以下QTcF)≧430とし、B群ではQTcF≧440とした。A群で抽出基準を満たしたのは小1、小4時ともに、男 2名、女1名。うち小1と小4で共に基準を満たしたのは女1名のみ。B 群での抽出基準を満たしたものはは小4時、男 1名、女2名、中1時では男 2名、女2名。うち小1と小4で共に基準を満たしたのは、男女各1名。B群にLQTSの2型が3名いた。うち1例は中1では抽出基準を満たしたが、小4では満たしていなかった。別の2名は、小4、中1時ともに抽出基準を満たしていた。以上より学校心臓検診でのQT延長者のQTcも成長に伴い個々に変化し、抽出対象も学年により異なった。LQTSのQTcも変化し、1回の心電図では抽出されない症例もあり、成長期での縦断的評価の有用性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学校心臓検診群の横断的評価を進める予定であったが、1)心電図画像情報用と2)数値・文字情報用を統合したデータベースの導入が遅れたため、評価を行えた症例が限定されたが、一部横断的評価は行えた。 LQTSの症例登録は、魚沼基幹病院と新潟大学医歯学総合病院では進んだが、他施設への症例登録依頼は、倫理審査申請が遅れているため行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
学校心臓検診群の評価は、新規データベースを稼働させ、横断的評価、縦断的評価を進めていく。LQTSの症例登録は、自院ではさらに進め、他施設への症例登録依頼も、倫理審査申請を行った上で、進めていく。
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