研究課題/領域番号 |
22K07847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
児玉 由紀 宮崎大学, 医学部, 教授 (30305081)
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研究分担者 |
鮫島 浩 宮崎大学, 学長 (50274775)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子宮内感染 / 羊水感染 / 早産 / 周産期死亡 / 慢性肺疾患 / 脳室周囲白質軟化症 / 新生児敗血症 / ウレアプラズマ / 周産期感染症 / 絨毛膜羊膜炎 / ウレアプラズマ感染 |
研究開始時の研究の概要 |
ウレアプラズマによる周産期感染症は、有意に新生児肺炎、慢性肺疾患、脳室周囲白質軟化症や脳性麻痺との関連性が高く、近年注目されている。しかしながら、ウレアプラズマ陽性胎児や新生児の治療は未だ確立されていない。本研究では、県内の周産期医療センターで管理された早産妊婦と出生した新生児を対象として、ウレアプラズマ陽性症例を抽出し、臨床経過、予後についての観察研究を行う。抗菌薬やステロイド投与など早産症例におけるウレアプラズマ培養陽性母体および新生児の治療の効果や有効性の解明へ寄与することを目的とし、エビデンスある治療法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
【研究目的】本研究では、宮崎県独自のpopulation-based dataをもとに、ウレアプラズマ感染早産の頻度を調査し、さらに県内周産期センターで管理する早産症例の抗菌薬投与群と非投与群の比較を行い、その治療効果としての妊娠延長期間や母体感染所見、胎盤病理所見、児の炎症、培養、予後について調査することを目的とした。出生児の抗菌薬治療についても児の予後に関連するかどうかを調べる。 【研究実施計画】①ウレアプラズマ保菌妊婦および早産児の頻度を調べる:県内総合・地域周産期母子医療センターにおいて、妊娠22週から33週の早産症例のウレアプラズマ培養を実施し、陽性例を対象として登録し、母児のウレアプラズマ保菌頻度をpopulation-based で調べる。②ウレアプラズマ陽性妊婦と児に対する抗菌薬治療とその有効性を検証する:①と同じウレアプラズマ陽性妊婦を対象として、その後の観察研究を行う。母体抗菌薬治療と妊娠延長期間、また出生した早産児のウレアプラズマ保菌の有無と抗菌薬治療、予後について情報収集を行い検討する。 【研究実績】2023年度は、当院と関係機関から登録数が8例となり、研究期間前のウレアプラズマ陽性例を合わせると21例のデータが収集できた。このうち1例の重症例の症例報告を日本周産期・新生児医学会雑誌へ投稿し掲載された。現時点で登録されている19例のまとめでは、分娩週数は22週から27週の超早産16例(84%)、28週から33週の早産3例(16%)であった。羊水(母体子宮内含む)から15例、児のみから4例(うち2例は羊水陰性)であり、出生時に敗血症を呈した新生児はなかったが、3例(16%)は急性期に一酸化窒素吸入療法を要した。母体にマクロライド系抗菌薬が7例で投与されていたが、全て28週以下の早産となり、4例の児ではウレアプラズマ培養が陽性であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度までの妊娠中のウレアプラズマ感染母体の登録件数は、当院で8例、他機関から2例(うち1例は22週未満の流産症例)となった。2022年以前の13症例と併せてデータ収集を継続するとともに、解析を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初予想していた数よりも少ない登録であったため、引き続き症例登録を継続していく。またこれまでに収集したデータを解析し、本年度6月と9月にそれぞれ開催される国内、国際学会で発表予定としている。さらに今年度は論文作成予定である。
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