研究課題/領域番号 |
22K07852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
三谷 幸之介 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10270901)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | プライム編集 / ゲノム編集 / アデノウイルスベクター / iPS 細胞 / prime editing / ウイルスベクター / SCID-X1 |
研究開始時の研究の概要 |
prime editing(PE)は、染色体を切断せずかつ鋳型DNAを必要としない、新規の安全なゲノム編集技術である。しかし、既存のウイルスベクターで運ぶにはPEの遺伝子サイズが大きすぎるため、高効率な遺伝子導入・発現が喫緊の課題である。本研究では、容量が大きくかつ高発現を得ることが出来る新世代型ベクターの有用性を検証する。1) レポーター遺伝子を用いた血液系細胞株におけるPEの至適化と、2) ヒト造血幹前駆細胞におけるIL2RG遺伝子座のPEによる修復の後に、3) PE処理したヒト免疫不全症モデルマーモセット骨髄細胞のマウスへの移植実験で、造血幹細胞レベルでの治療効果と安全性の検証を行う。
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研究実績の概要 |
アデノウイルスベクターによる高効率なprime editing(PE)を達成する上で、PE4(PE2の改良型)遺伝子と変異Venus遺伝子を標的とするepegRNA(pegRNAの改良型)との比を調節可能にするために、敢えて別々のベクターとして構築した。 PE4発現ベクターが増殖しにくいという問題が生じたが、PE4遺伝子のORFに変異を入れたベクターは増殖するため、PE4遺伝子の116細胞での発現が何らかの問題である。そこで、1) PE4遺伝子の3’非翻訳領域に293細胞(116細胞の親細胞株)での発現を抑制するmiR183/218を4コピーずつ挿入し、2) PE4遺伝子のプロモーターをCMVからそれよりも弱いEF1αへと置き換えた。その結果、PE4ベクターもVenus-epegRNAも高力価(1.7 x 10E10/mlと4.2 x 10E10/ml)で増殖させることが出来た。 これらベクターは、先ずAd5血清型のヘルパーウイルスで調整した。ベクターの感染によるPEの効率を測定するために、A549、HepG2、Hep3B、ヒトiPS細胞に対して、変異Venus遺伝子が染色体に組み込まれた細胞をそれぞれ樹立した。 感染実験の結果、A549ではMOI 300(細胞あたりの感染粒子)で94%、HepG2ではMOI 30で92%、Hep3BではMOI 100で51%、ヒトiPS細胞ではMOI 30で30%と、これまでの報告を大きく上回る高効率でPEが得られた。 しかしながら、CAG-Venusベクターを用いた感染と比較すると、遺伝子導入された細胞の1/3~1/2 でのみPEが達成されていた。最近、HDAC6 阻害剤の処理で293T細胞におけるPEの効率が最高2.3倍上昇することが報告された。そこで、私達もHDAC6阻害剤処理を試みたが、更なる効率の上昇は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
改良型として、PE4遺伝子発現とepegRNA発現のベクターを別途構築した。また、PE4遺伝子発現ベクターの産生上の問題を克服するため、デザインを工夫した新たなベクターを構築し、高力価で調整した。 それらのベクターを用いて様々な細胞でPE実験を行った。K562細胞ではまだ実験は行っていないが、A549細胞やHepG2細胞で、目的の90%を越える効率でのPEに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度はAd5血清型のベクターを調整したが、造血細胞にも感染できるようにAd35血清型のヘルパーウイルスでベクターを調整する。 K562細胞とヒトCD34陽性造血幹前駆細胞を標的として、先ず変異Venusを標的としたPEを行う。それに引き続き、治療標的遺伝子であるIL2RG遺伝子座のexon2を修復するprime editingを行う。
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