研究課題/領域番号 |
22K07861
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 滋 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80516394)
|
研究分担者 |
西川 祐司 旭川医科大学, その他, 学長 (90208166)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | NBAS遺伝子異常症 / NBAS遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
Neuroblastoma amplified sequence(NBAS)遺伝子異常症は、重度の低身長、骨粗鬆症、骨形成不全症、乳児期の反復性急性肝不全、免疫異常、インスリン分泌不全による糖尿病、視神経萎縮等を発症しうる先天性の難治性疾患である。 本研究では、これらのヒト検体および病態モデルとしての細胞株、およびノックアウトマウスを用いて、NBASの生理機能およびNBAS遺伝子異常症の分子病態解明を行うことである。 種々の臓器に影響を及ぼすNBASの機能未知の解明は、本症の治療法開発のみならず、同様の病態を呈する疾患治療戦略への示唆を与えると考えられる。
|
研究実績の概要 |
NBAS遺伝子異常症による低身長の病態解明として、ヒト骨病変の病理学的解析および培養細胞株(軟骨細胞株[ATDC5細胞]および骨芽細胞株〔MC3T3-E1細胞〕)を用いた遺伝子ノックダウン実験を行った。 患者骨髄の病理組織像においてはNBAS発現低下が明らかではなかった。 患者皮膚線維芽細胞およびATDC5細胞、MC3T3-E1細胞間においてはNBAS遺伝子発現低下による遺伝子変化の比較をトランスクリプトーム解析にて行ったが、共通した遺伝子発現変化は認められなかった。2倍以上の発現変化が認められた遺伝子数は皮ATDC5では798(増加392,低下406)、MC3T3-E1では831(増加350、低下481)であった。Gene ontology(GO)解析では、ATDC5細胞では、Biological processでは刺激に対するもの、Cell componentでは細胞膜に関連するものが抽出され、MC3T3-E1細胞では、Molecular functionでは輸送に関連するものBiological processでは輸送に関連するものおよび刺激に対するもの、Cell componentでは細胞膜に関連するものが抽出された。 ATDC5細胞において、Nbasノックダウンは軟骨分化誘導に影響を与えなかった一方、MC3T3-E1細胞におけるNbasノックダウンは骨分化誘導においてALP活性が抑制され、石灰化も抑制された。以上より、共通のmRNA発現変化は認められなかったものの、GO解析においては、環境刺激に対する反応性に関する生物学的プロセスの変化は共通しており、それぞれの臓器が受容する刺激が病態のトリガーとなる可能性も示唆された。また、NBAS異常症の低身長の病態については、骨形成不全が主たる病態であることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NBAS遺伝子ノックアウトマウスの作成が進んでいない。
|
今後の研究の推進方策 |
骨形成不全を引き起こすメカニズムについて、骨誘導における分子メカニズムの解明を細胞実験およびノックアウトマウスを用いた実験で明らかとしたい。また、糖代謝の異常についてもノックアウトマウスの表現型解析および膵島免疫組織化学的評価、あるいは糖代謝関連遺伝子発現解析を進める。
|