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自閉症スペクトラム障害病態理解のためのシナプスの3次元超解像イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 22K07864
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関群馬大学

研究代表者

小金澤 紀子  群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90643114)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード超解像顕微鏡 / STED / ASD
研究開始時の研究の概要

神経発達障害の一種である自閉症スペクトラム障害 (ASD) はその膨大な患者数が社会的な問題となっている。ASDの効果的な予防法と診断法、そして治療法の開発が喫緊の課題であり、これらの開発のためにはASDの病態を理解する必要がある。シナプスの形態や数の異常がASD発症の原因である可能性が考えられているが、数種類のASDモデルマウスに共通したシナプスの形態や数の表現型は見出されていない。本研究では、シナプスの形態と数の解析に適した最先端の超解像顕微鏡を用いて数種類のASDモデルマウスの解析を行う。

研究実績の概要

神経発達障害の一種である自閉症スペクトラム障害 (ASD) は100人に1.6人の小児が罹患するとも言われており、その膨大な患者数が社会的な問題となっている。ASDは社会的コミュニケーション障害と強いこだわりなどの特徴的症状を示す疾患である。ASDの効果的な予防法と診断法、そして治療法の開発が喫緊の課題であり、これらの開発のためにはASDの病態を理解する必要がある。ASD発症の原因は脳神経ネットワークの機能異常であると考えられてきたが、不明点が多い。ASDの原因遺伝子・関連遺伝子として、シナプス構成タンパク質をコードする遺伝子が多数報告されている。シナプスは脳神経ネットワークで情報処理をする中継点で、その形態や数の変化が脳高次機能の制御に重要と考えられている。シナプスの形態や数の異常がASD発症の原因である可能性が考えられているが、数種類のASDモデルマウスに共通したシナプスの形態や数の表現型は見出されていない。本研究では、シナプスの形態と数の解析に適した最先端の超解像顕微鏡である3D-Stimulated Emission Depletion (3D-STED)顕微鏡を用いて数種類のASDモデルマウスの解析を行う。各発達時期で3つの脳領域を系統的に解析することにより、これらのASDモデルマウスに共通したシナプスの形態や数の変化を見出す。
発達障害モデルマウスを用いて、3D-STED顕微鏡による解析法の最適化を試みた。シナプス数定量方法を改良し、現在さらに複数種類のASDモデルマウスの複数の脳領域において解析が進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、シナプスの形態と数の解析に適した最先端の超解像顕微鏡である3D-STED顕微鏡を用いた解析を進めている。シナプスの数の解析方法を確立させるため、発達障害モデルマウスを用いて解析法の最適化を試みた。海馬CA1とCA2領域に着目し、シナプス数の正確な定量法を確立させ、その成果を発表した。この方法を用いて、さらに複数種類のASDモデルマウスの解析が進行中である。これまで、海馬CA1およびCA2領域において、有意な差が見られないモデルマウスが出てきたことから、海馬歯状回など別の脳領域での解析を試みている。画像データの解析用に導入したAI画像解析ソフトウエアを用いた解析法の改良も進んでいる。シナプスの形態解析方法を確立させるために、脂質修飾型GFPを発現させた脳切片を用いた解析を行っているが、その過程で組織固定法を工夫する必要があることが分かってきており、固定法の最適化も進んだ。

今後の研究の推進方策

これまで主に着目してきた脳領域である海馬CA1とCA2領域において、確立されたシナプス数解析を試みたところ、有意な差が見られないモデル動物があることが分かった。そこで今後は、着目する脳領域として海馬だけでなく、扁桃体や体性感覚野も検討している。さらに別領域でも有意な差が見られない場合には、さらに解像度を上げるために膨張顕微鏡法の導入を検討する。これまで主に、興奮性シナプスの解析を進めていることから、抑制性シナプスの解析方法についても検討を始める。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Nedd4-2-dependent regulation of astrocytic Kir4.1 and Connexin43 controls neuronal network activity2024

    • 著者名/発表者名
      Altas B, Rhee HJ, Ju A, Cruces-Sol H, Karaca S, Winchenbach J, Kaplan Arabaci O, Schwark M, Ambrozkiewicz M, Lee C, Spieth L, Wieser G, Majoul I, Hassan M, Goel R, Wojcik S, Koganezawa N, Hanamura K, Rotin D, Pichler A, Mitkovski M, de Hoz L, Poulopoulos A, Urlaub H, Jahn O, Saher G, Brose N, Rhee JS, and Kawabe H
    • 雑誌名

      Journal of Cell Biology

      巻: 223 号: 1

    • DOI

      10.1083/jcb.201902050

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Impacts of methotrexate on survival, dendrite development, and synapse formation of cortical neurons2023

    • 著者名/発表者名
      Mai Yamamura, Kenji Hanamura, Noriko Koganezawa, Senami Furubayashi, Tomoaki Shirao, Hiroshi Kawabe.
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: 28 号: 8 ページ: 563-572

    • DOI

      10.1111/gtc.13035

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The murine ortholog of Kaufman oculocerebrofacial syndrome gene Ube3b is crucial for the maintenance of the excitatory synapses in the young adult stage2023

    • 著者名/発表者名
      Saki Katsube, Noriko Koganezawa, Kenji Hanamura, Katherine J. Cuthill, Victor Tarabykin, Mateusz C. Ambrozkiewicz, Hiroshi Kawabe.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 797 ページ: 137059-137059

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2023.137059

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Kaufman oculocerebrofacial syndrome gene, Ube3b, is crucial for the maintenance of synapse numbers in the young adult brain2023

    • 著者名/発表者名
      Noriko Koganezawa, Saki Katsube, Kenji Hanamura, Hiroshi Kawabe
    • 学会等名
      第75回細胞生物学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Kaufman oculocerebrofacial syndrome gene, Ube3b, is crucial for the maintenance of synapse numbers in the young adult brain2022

    • 著者名/発表者名
      Saki Katsube, Noriko Koganezawa, Kenji Hanamura, Katherine J. Cuthill, Mateusz C. Ambrozkiewicz, Hiroshi Kawabe
    • 学会等名
      第96回日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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