研究課題/領域番号 |
22K07867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井澤 和司 京都大学, 医学研究科, 助教 (90634931)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Ⅰ型インターフェロン / 自己免疫疾患 / 自己炎症性疾患 / インターフェロン / 発現解析 |
研究開始時の研究の概要 |
原因不明の炎症性疾患患者におけるⅠ型IFNの関与の明らかにするとともに、炎症の原因となる新規責任遺伝子の同定とその病態を解明するために以下の解析を行う。原因不明の炎症性疾患患者の末梢血を用いた①Ⅰ型IFN応答遺伝子群の発現解析、② RNA-seqを用いた網羅的遺伝子発現解析、③上記の①と②の解析を免疫抑制剤導入前後での変動、臨床症状との関連性を評価する、また、④全エクソーム解析による新規責任遺伝子の同定、⑤ 新規責任遺伝子変異による病態機序の解明を行う。本研究では、原因不明の炎症性疾患患者における炎症の病態解明、治療標的経路の同定に寄与することが期待される。
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研究実績の概要 |
医学の進歩した現在においても、原因不明の炎症症状を認める患者は多数存在する。症状が一過性であれば問題とはならないが、月単位で発熱が持続したり、発熱が繰り返される際には臨床上の問題となる。これまで、原因としては感染症、膠原病、悪性疾患が多数を占めると考えられてきた。近年、遺伝子変異によって発症する自己炎症性疾患が知られるようになってきた。 しかしながら、各種の精密検査や網羅的な遺伝子解析等を行っても確定診断に至らない患者が多く存在する。既知の自己免疫疾患、自己炎症性疾患には当てはまらない原因不明の炎症性疾患患者は多数存在し、その病態は明らかになっていない。 本研究の目的は、原因不明の炎症性疾患患者におけるⅠ型IFNの関与の明らかにするとともに、炎症の原因となる新規責任遺伝子の同定とその病態を解明することである。具体的には、原因不明の炎症性疾患患者の末梢血を用いた①Ⅰ型IFN応答遺伝子群の発現解析:代表的なIFI27、IFI44L、IFIT1、ISG15、RSAD2、SIGLEC1の6遺伝子解析を行う。健常人、既知の自己炎症性疾患、自己免疫疾患との比較も行う。、② RNA-seqを用いた網羅的遺伝子発現解析、③上記の①と②の解析を免疫抑制剤導入前後での変動、臨床症状との関連性を評価する、また、④全エクソーム解析による新規責任遺伝子の同定、⑤ 新規責任遺伝子変異による病態機序の解明を行う。本研究では、原因不明の炎症性疾患患者における炎症の病態解明、治療標的経路の同定に寄与することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ⅰ型インターフェロン(IFN)の血中濃度は微量であり、通常のELISAでは測定が困難である。そのため、Ⅰ型IFN応答遺伝子(Interferon stimulated genes: ISG)の発現解析を行うことで、Ⅰ型IFNの解析を行うことが一般的である。我々は、原因不明の炎症性疾患において末梢血 ISGの発現が上昇していることを見出し論文報告を行った(Miyamoto T et al. Assessment of type I interferon signatures in undifferentiated inflammatory diseases: A Japanese multicenter experience. Front Immunol. 2022)。
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今後の研究の推進方策 |
新規責任遺伝子変異による病態機序解明を目指す。 すでに新規責任遺伝子候補を同定しており、培養細胞への遺伝子導入を行い解析する。また、患者さんからiPS細胞を樹立しており、Ⅰ型IFN上昇の機序について解明を行う。当研究室ではiPS細胞から単球・マクロファージへの分化系を確立させており、解析を継続してて行う。
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