研究課題/領域番号 |
22K07873
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 秀明 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50639440)
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研究分担者 |
新開 統子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (80301612)
清水 裕史 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70553709)
南 洋輔 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (40896263)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 壊死性腸炎 / 動物モデル / 臍帯間葉系幹細胞 / 再生医療 / 幹細胞 / 臍帯 |
研究開始時の研究の概要 |
壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis, NEC)は新生児の腸管に虚血性変化、時に穿孔をきたす疾患であり、発症メカニズムはいまだ十分に解明されていない。消化管の減圧、抗生剤等の内科的治療が行われるが、発症後の致死率は20-30%であり、特に手術を要した患者の致死率が高い。 間葉系幹細胞はその再生促進作用や抗炎症作用から多くの病態への治療効果が期待される。臍帯幹細胞は採取に際して倫理的問題がなく、多量に手に入る細胞ソースとして注目されている。臍帯間葉系幹細胞にはNECの急性期の腸管における虚血、感染、炎症を抑える可能性が期待されることから、この検証を本研究の目的とした。
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研究実績の概要 |
間葉系幹細胞はその再生促進作用や抗炎症作用から多くの病態に対する治療への応用が期待されている。その中でも臍帯幹細胞は採取に際しての倫理的問題がなく、比較的多量に手に入り、また免疫原性の少ない細胞ソースとして注目されている。新生児、特に未熟児に起こり時に致死的となる壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis, NEC)において、その急性期の腸管における虚血、感染、炎症を抑えることがその予後改善につながるものと考えた。その新規治療の候補として臍帯間葉系幹細胞(Umbilical Cord Wharton’s Jelly Stem Cells: UC-WJSCs)を用いた再生医療の可能性を探ることを本研究の目的としている。 今年度はまず、本研究の基本モデルとなるラット新生仔を用いたNECモデルの確立に焦点を絞っている。新生仔の周術期管理用の各種器具、インキュベーター、低酸素負荷用チャンバー等の必要物品を購入し、コントロール群として壊死性腸炎が安定した頻度、程度で発症し、その肉眼的、病理学的な評価を客観性をもって行えるかの基礎実験を開始している。 本研究のもう一方の核となるUC-WJSCsを用いた細胞移植実験およびシートによる治療実験については、UC-WJSCsを最終的にはヒトの妊産婦より正常分娩時に破棄される臍帯の一部を提供してもらい、ここから分離培養を行うことを目標としている。しかし初期の段階では市販のUC-WJSCsを用いることとしており、今年度はその為の細胞維持、培養に要する器材の整備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本学実験棟内での上述のラット新生仔管理用の環境を整えるのにあたり、器具の購入に加え施設申請等に予想外に時間を要した。このためコントロールとしての基礎実験が十分量行うことができていない。
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今後の研究の推進方策 |
ラット新生仔NECモデルおよびその腸管評価についてコントロール群の実験を継続する。UC-WJSCsについてはそのシート作成が次の実験段階となる。研究分担者の1人は過去の研究ですでに市販の UC-WJSCs(PromoCell 社)を用いて、35mm ディッシュにマウス胎児肺への貼付が可能な厚みを持った直径 1cm の幹細胞シートの作成に成功している。この手技を用い、ラット新生児仔の後腹膜腔に貼付、もしくは細胞のまま血管内、また腹腔内投与を行う群を作成する。この際投与後の細胞動態を観察できるようCellVue(Sigma-Aldrich 社)を用いて蛍光色素を導入し可視化を行う。これらによりNECに対する治療効果検証することを次の目標とする。
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