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小児難治性腫瘍におけるmitotic slippageの克服

研究課題

研究課題/領域番号 22K07888
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関山梨大学

研究代表者

合井 久美子  山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (70324192)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードmitotic slippage / 難治性小児がん / apoptosis / 小児がん / 細胞分裂期 / Mitotic slippage
研究開始時の研究の概要

がん細胞に対して抗腫瘍剤が回復不能なDNA傷害をもたらした場合、細胞は分裂期に細胞死を迎えるが、ときにこの分裂期をすり抜けること(mitoticslippage)により、細胞死が回避され、さらに染色体の数や構造の変化が加わり、治療抵抗性が獲得されることがある。この現象は小児がんを含む進行期の難治性がんで起こりうる。要因として、細胞分裂期に関わるキナーゼの異常やアポトーシス抑制因子の異常活性化が報告されており、mitoticslippageをきたす薬剤にアポトーシスの活性化を組み合わせることで、分裂期における抗腫瘍効果を得ることが可能となり、進行期の小児がんに対し有効ではないかと考えた。

研究実績の概要

悪性ラブドイド腫瘍などの小児がんの難治性の一因として、Vinca alkaloid等の細胞分裂期の微小管形成の阻害に関わる抗腫瘍剤が損傷回復不能なDNA傷害をもたらした際に起こりうるmitotic slippageによる細胞死の回避、染色体の不均衡による数や構造の変化等による治療抵抗性が獲得が推定されている。
我々は多くのがん細胞で高発現しているヒストン等のメチル基転移酵素であるEZH(enhancer of zeste homolog)2阻害剤により、ラブドイド腫瘍、未分化肉腫の細胞株で4倍体も含むaneuploidへの移行によるmitotic slippageを観察したが、明らかな細胞死は観察できず、apoptosis抵抗性であることが予測された。このmitotic slippageの要因として、細胞分裂期に関わるキナーゼの異常、アポトーシス抑制因子の異常活性化が挙げられる。EZH(enhancer of zeste homolog)2阻害剤によるmitotic slippageをきたしたラブドイド腫瘍株と未分化肉腫細胞株において、細胞分裂期関連蛋白の欠損(Aurora蛋白、CDC20)とアポトーシス関連蛋白(Bcl-xL,MCL-1)の異常発現を確認した。
EZH2阻害剤およびアポトーシス関連蛋白阻害剤単独での明らかな細胞死は確認できなかったため、現在研究計画書に乗っ取り、EZH2阻害剤+アポトーシス関連蛋白阻害剤による効果を観察中であるが、高発現しているアポトーシス関連蛋白、特にMcl-1に対する阻害剤との併用で単独投与に比較し、明らかに細胞増殖が抑制され、ラブドイド腫瘍と未分化肉腫で顕著である結果が得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年に引き続き、mitotic slippageを確認できた2細胞株におけるEZH2およびアポトーシス関連蛋白阻害剤の併用効果については検討できたが、他のVInca alkaloid薬の併用効果や計画書に基づいたin vivoの実験に達していないため。

今後の研究の推進方策

計画書に則り、Vinca alkaloid等の細胞分裂期に関わる抗腫瘍剤によるmitotic slippage現象の確認、アポトーシス関連蛋白阻害剤との併用効果についてと、効果が認められたMCL1阻害剤との併用効果について研究を進めて行く予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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