研究課題
基盤研究(C)
小児欠神てんかん(CAE)は、4-8歳に好発するてんかんであり、脳波検査では特徴的な3Hz棘徐波複合を呈する。CAEには、高率に注意欠如・多動症(ADHD)を合併するが、その成因は明らかでない。申請者はCAEの診断時の脳波を定量的に解析する方法を確立した。本研究では、CAE・ADHDを合併する小児が示す脳波の特徴を明らかにし、両疾患に関与する遺伝的要因の有無を検証する。CAEとADHD発症の重複メカニズムを明らかにすることで、小児てんかん全般に合併する発達障害の発生機序を研究するプラットフォームを提供するとともに、ADHDを合併するCAEに対する転帰予測の支援と障害予後の改善を目的とする。
小児欠神てんかん(childhood absence epilepsy: CAE)は、4-8歳に好発する全般性てんかんであり、脳波検査では特徴的なてんかん発射(3Hz棘徐波複合: SPWC)を呈する。CAEには、高率に注意欠如・多動症(ADHD)を合併するが、その成因は明らかでない。申請者はCAEの診断時の脳波を定量的に解析する方法を確立し、定型発達児とADHD児とで異なるSPWC形状と分布を示すことを見出した。本研究の目的は、CAEとADHDを合併する小児が示す脳波の特徴を明らかにし、両疾患に関与する遺伝的要因の有無を検証することである。CAEとADHD発症の重複メカニズムを明らかにすることで、小児てんかん全般に合併する発達障害の発生機序を研究するプラットフォームを提供するとともに、ADHDを合併するCAEに対する転帰予測の支援と障害予後の改善を目的とする。本研究では60名を解析目標とする。1)ADHD合併児(推定30人)と非合併児の初回脳波データを蓄積し、定量的に解析する。2)同合併児が示す脳波の特徴を抽出する。3) CAEとADHDの両者に寄与する遺伝的要因の有無を明らかにする。令和5年度は、令和4年度に引き続き、連携施設の協力を得て、2022年以降のCAE患者を前向きに登録した。患児登録とともに、詳細な発達歴の聴取、知能検査(WISC-IV)・ADHD評価スケール(ADHD-RS)等の実施により、併存障害を厳密に評価した。また薬剤プロフィールについても情報収集した。脳波計はNeurofax EEG-1200 (日本光電)を用いてデジタル情報を保存した。さらに、ADHD併存児と非併存児の脳波データ抽出を開始した。CAEとADHDの両者に寄与する遺伝的要因の有無を明らかにすることを目的として、患児ならびに両親に対して説明・同意取得を行い血液採取・DNA抽出する段階である。
3: やや遅れている
詳細な発達評価、併存障害の厳密な評価に時間を要しているため目標数の患者登録に到達していない。
協力施設と連携して患児登録と発達評価をすすめる。並行して脳波データの抽出もすすめる。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 1件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (3件)
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