研究課題/領域番号 |
22K07905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
大内 秀雄 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (00517807)
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研究分担者 |
石橋 知彦 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (30722285)
浅野 遼太郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 非常勤医師 (60827004)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フォンタン / 腸内細菌 / 炎症 / 心不全 / 肝硬変 / 腸内細菌叢 / フォンタン循環 / 慢性心不全 / フォンタン関連肝臓病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、腸内細菌叢変容との多様性変化や構成成分の変化と臨床パラメータ(心不全、心血行動態、フォンタン関連肝臓病、蛋白漏出性胃腸症、血栓症などの合併症や血行動態、炎症所見など)、予後データを網羅的に解析し、臨床情報の詳細な解析を中心として腸内細菌叢変容の観点からフォンタン術後症候群の病態を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はフォンタン循環患者と健常対象者の腸内細菌叢の比較を行い、複雑なフォンタン術後患者の病態に腸内細菌叢の変容が関わっているかを調べる研究である。連続155例のフォンタン患者と44例の健常ボランティアの腸内細菌叢を比較した結果、フォンタン患者では健常者に比べ門レベル、属レベル、α多様性、β多様性で明らかな差があり、例えば、α多様性の低下などのフォンタン患者での腸内細菌叢の変容(gut dysbiosis:GD)の存在が初めて明らかとなってきている。このGDは慢性心不全患者で報告される既報と類似点が見られ、フォンたん循環タイプから分類したFailed Fontanタイプで明らかにα多様性の低下が確認された。更に、このGDは肝硬変患者で観察されたGDとの類似点も観察された。フォンタン患者の病態へのGDの関与に関しては、フォンタン患者のα多様性の3つの指標(observed OTUs、Shannon index, Faith’s phylogenetic diversity)の全てが、低酸素血症、体格指数、細菌体内侵入(bacterial translocation)と共に血中CRP濃度と独立に関連することが明らかとなった。フォンタン患者での血中CRP濃度上昇はフォンタン循環の特徴である中心静脈圧上昇や低酸素血症に加え、運動耐容能低下や肝臓の線維化指標、肝臓の診断からの重症度と有意な関連を示し、更に将来の心不全のリスクと関連した。これらの結果からフォンタン患者のGDの存在は慢性炎症を惹起の主要な要因であり、明確な機序が不明とされるフォンタン術後遠隔期の循環破綻を伴うフォンタン不全(Failed Fontan)発症に関わる重要な機序であることを推察させる。今後、GDにおける特定の菌とフォンタン病態との関連の解明が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の進行は順調である。前述のような結果が明らかとなり、研究成果の一部を学術研究会で発表している。また、現在、研究成果の全容を学術集会で発表するとともに論文作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、研究成果をまとめる作業を行なっており、学術集会での発表を予定し、また、論文作成中である。
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