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ハプロ不全で発症するGLUT1欠損症の治療薬開発:既承認薬ライブラリーからの選別

研究課題

研究課題/領域番号 22K07908
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関旭川医科大学

研究代表者

高橋 悟  旭川医科大学, 医学部, 教授 (10431404)

研究分担者 辻村 啓太  名古屋大学, 理学研究科, 特任講師 (60588474)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードグルコーストランスポーター / てんかん / 知的障害 / 治療 / iPS細胞 / モデルマウス / 既承認薬 / ドラッグリポジショング / GLUT1欠損症 / 既承認薬ライブラリー
研究開始時の研究の概要

GLUT1欠損症は、SLC2A1 (1p34.2)のハプロ不全により発症し、ブドウ糖が脳内に取り込まれないことにより生じる代謝性脳症である。本症の臨床的重症度とGLUT1発現量には関連が示されていることを考慮し、安全性と体内動態が十分に証明されている既承認薬ライブラリーから、GLUT1遺伝子発現量を増やす治療薬を探索した。本研究の目的は、これまでの研究で同定された候補化合物の治療効果を検証し、臨床治験につなげる結果を得ることである。

研究実績の概要

GLUT1欠損症は、GLUT1遺伝子SLC2A1 (1p34.2)のハプロ不全により発症し、ブドウ糖が脳内に取り込まれないことにより生じる代謝性脳症である。中枢神経系でのエネルギー不足が慢性的に持続することにより、髄液中糖濃度は低値を示し、てんかん、知的障害、運動障害など多彩な神経症状が出現する。本症の根治的治療法はないため、ブドウ糖に代わるエネルギー源を供給するケトン食療法が行われる場合がある。この食事療法は、てんかん発作を軽減する効果は認められたが、知的障害や運動障害への効果はみられなかった。また、食事療法には多くの困難が伴い、長期間にわたり継続することは容易ではなく、小児の成長へ及ぼす長期的な影響についても不明な点が多い。我々は、本症の臨床的重症度とGLUT1発現量との間には関連性が示されていることに着目し、安全性と体内動態が十分に証明されている既承認薬ライブラリー(2055品目)から、GLUT1発現量を増やす治療薬を探索した。そして、臨床で使用可能な血中濃度で2倍以上の発現増加を示す既承認薬を同種同効薬2品目を含む3品目を同定した。本研究では、これらの候補薬の治療効果を検証することを目的としている。検証には、患者iPS細胞由来の血管内皮細胞と患者と同一の遺伝子変異を有するモデルマウスを用いる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当科に通院中の2名のGLUT1欠損症患者(c.902_903insC,p.Val303Glyfs*78とc.997C>T,p.Arg333Trp)からiPS細胞を樹立し、自己複製マーカー(OCT4, NANOG)の発現と胚様体作製による3胚葉分化の確認を行った。iPS細胞および分化誘導した血管内皮細胞においてGLUT1発現を検討し、c.902_903insC, p.(Val303Glyfs*78)ではGLUT1蛋白の発現量が低下しているが、c.997C>T, p.(Arg333Trp)では蛋白発現量に変化はないことが確認された。さらに、既報告のp.Pro485Leu変異 (Meyer K, et al.Cell 2018;175:239-253)のiPS細胞株の分与を受けており、少なくとも3例以上のGLUT1欠損症患者由来iPS細胞株を取得した。これらのiPS細胞から血管内皮細胞へ分化誘導し、GLUT1機能解析を行っている。また、GLUT1欠損症患者(c.902_903insC,p.Val303Glyfs*78)と同一の遺伝子変異を有するノックインマウスも作製された。現在、表現型の解析を行っている。

今後の研究の推進方策

GLUT1欠損症患者から樹立されたiPS細胞および分化誘導した血管内皮細胞を用いて、本症の病態解明と創薬のためのin vitroモデルを確立し、治療薬の候補化合物の効力検証をすすめる。GLUT1欠損症患者(c.902_903insC,p.Val303Glyfs*78)と同一の遺伝子変異を有するノックインマウスの表現型解析を進め、候補化合物のin vivo効力検証を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Associations of severity with biochemical parameters in glucose transporter 1 deficiency syndrome.2023

    • 著者名/発表者名
      Nabatame S, Tanigawa J, Tominaga K, Kagitani-Shimono K, Yanagihara K, Imai K, Ando T, Tsuyusaki Y, Araya N, Matsufuji M, Natsume J, Yuge K, Bratkovic D, Arai H, Okinaga T, Matsushige T, Azuma Y, Ishihara N, Miyatake S, Kato M, Matsumoto N, Okamoto N, Takahashi S, Hattori S, Ozono K
    • 雑誌名

      J Neurol Sci

      巻: 447 ページ: 120597-120597

    • DOI

      10.1016/j.jns.2023.120597

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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