研究課題/領域番号 |
22K07909
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松田 裕介 金沢大学, 医学系, 助教 (30882443)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | MIS-C / 多系統炎症性症候群 / 川崎病 / サイトカイン / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
小児COVID-19関連多系統炎症性症候群 (MIS-C) は、COVID-19に続発して心筋炎やショックなどの多臓器にわたる重篤な炎症病態を引き起こす疾患である。国内ではまれな疾患であり、その病態は不明である。川崎病の罹患率が高い本邦では、臨床症状が似ているMIS-Cと川崎病の鑑別が困難な場合があり、診断に有用なバイオマーカーの開発が必要である。本研究では、国内MIS-C症例を集積し、その免疫学的特徴を明らかにすることで、MIS-Cの適切な診療につながる可能性が期待される。
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研究実績の概要 |
小児COVID-19関連多系統炎症性症候群 (MIS-C) は、COVID-19に続発し、心筋炎やショックなどの多臓器にわたる重篤な炎症病態を引き起こす疾患である。オミクロン株流行以降、本邦からも報告が増加している。川崎病に類似した症状を呈することが知られており、川崎病の罹患率が高い国内では、MIS-CとCOVID-19罹患後の川崎病を臨床的に鑑別することは困難場合が多く、その鑑別、あるいは病勢把握に有用なバイオマーカーの開発が求められている。また、本邦では川崎病罹患率が高いにもかかわらず、MIS-Cの罹患頻度は欧米諸国と比べて低いことが示唆されており、本邦のMIS-C患者が欧米の患者と同様な病態を有するかは明らかとなっていない。本研究では、国内MIS-C症例、川崎病症例、COVID-19症例について、臨床像、サイトカインプロファイル、免疫細胞サブセットを比較することでその相違点を明らかにし、MIS-C診療に有用なバイオマーカーを同定するとともに、その病態を明らかにすることを目的とする。2023年度はサイトカインビーズアッセイにて網羅的に測定した血清蛋白について、川崎病、COVID-19急性期の小児例と比較し、その相違点を明らかとした。現在成果について論文投稿準備中である。また、リンパ球の表面抗原解析やTCRVβrepertoire解析を施行し、本邦MIS-C患者でも高率にTCRVβ21.3陽性T細胞が増加していることが明らかとなった。特徴的なT細胞の動態は川崎病では確認できない所見であり、サイトカイン同様に両者の鑑別に有用であるとともに、未だ明らかとなっていないMIS-C、ならびに川崎病の病態解明に寄与するものと考えられた。2024年度は、リンパ球解析について細胞内タンパクなどさらに詳細な検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度はMIS-C症例、川崎病症例、COVID-19症例のサイトカイン解析を施行し、データを解析し、現在英文誌に投稿準備中である。リンパ球解析においても順調に解析症例を増やしており、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はひきつづき、MIS-C症例およびKD症例の免疫細胞サブセットを比較することを目標に、MIS-C症例、KD症例の急性期の末梢血における免疫細胞サブセット解析を行う。また、保存したPBMCを用いて、MIS-Cで特異的な増加が確認されるTCRVβ21.3陽性T細胞について、その細胞表面抗原やサイトカインなどの細胞内タンパクについてフローサイトメトリーを使って評価する予定である。また、COVID-19の重症化に関与するとされるMAIT細胞についても、MIS-C症例について解析を進める予定である。
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