研究課題/領域番号 |
22K07910
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
柳沢 龍 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (80532043)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 花粉アレルギー / 食物アレルギー / アレルギー性輸血副反応 / Ⅰ型アレルギー / 輸血副反応 / アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
ATRは①患者側因子と②製剤側(またはドナー側)因子の双方の条件がそろって発症することが想定されている。本研究においてはATRの発症に関連しうる因子を患者側、製剤側の双方からアプローチすることにより、最終的にATR発症機序の全貌を明らかにすることを目指す。これまでの予備的な検討から、患者側因子として患者自身が保有しているアレルギー素因を探索する。一方、製剤側因子としてATR発症の原因となりうるアレルゲンの探索を行う。
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研究実績の概要 |
輸血療法は重要な支持療法であるものの、様々な副反応が発生しうることが課題である。副反応の中でもアレルギー性輸血副反応(ATR)は、特に発症頻度が高く、また重篤な症状を呈する可能性がある。ATRの発症機序はまだ完全には明らかにはされていないものの、①患者側因子と②血液製剤側(またはドナー側)因子の双方の条件がそろうことで発症すると考えられている。さらに我々は、食物アレルギーや花粉症等のアレルギー素因を保有している症例においてはATRの発症頻度が高いことや、ATRの原因製剤によって患者の好塩基球が活性化していること等をこれまで報告してきた。これらは、ATRがIgEを介するⅠ型アレルギーによって発症している可能性を示す結果と考えられる。そこで本研究はATRの発症に関連しうる患者側、製剤側双方の因子を更に明らかとすることにより、ATR発症機序の全貌を明らかとし、より安全な輸血療法を目指すことを目的とした。 該当年度においては、製剤中に含まれるATRの原因に重点をおいて検討を継続した。その結果、花粉の飛散時期に一致して血小板製剤中に花粉由来抗原が含有されている可能性を見出した。また、食物アレルギー症例の好塩基球は、該当食物を摂取したドナーの血清によって活性化されることも明らかとなった。これらのことから、花粉や食物に対してアレルギーを有する症例に、花粉や食物由来抗原を含有した血液製剤を輸血することによってATR発症が引き起こされる可能性が推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ATRと花粉および食物由来抗原の関連性を検討し、それぞれ学術誌に報告することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
ATRの発症要因について引き続き検討を継続するとともに、ATRの解析方法についても検証を行う。
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