研究課題/領域番号 |
22K07922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
奥野 博庸 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70445310)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | PDGFRb / 患者由来iPS細胞 / 小崎過成長症候群 / 脳血液関門 / 疾患モデリング / PDGFRb |
研究開始時の研究の概要 |
2015年に日本で疾患概念が確立した小崎過成長症候群について、病態解析および創薬研究を試みることを目的とする。原因遺伝子であるPDGFRBがどのようなメカニズムで本疾患に寄与しているかを調べるとともに、血液脳関門や頭部の発生におけるPDGFRBの働きを解明する。本遺伝子に関連する薬剤を用いて、既存薬スクリーニングを行い、作成したin vitro表現型の正常化が可能かを検討する。
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研究実績の概要 |
2015年に小崎らにより新規に発見された小崎過成長症候群について、患者由来iPS細胞をもちいて、病態解析および創薬研究をすすめている。3患者より協力をいただき、樹立したiPS細胞を用いて解析をすすめている。 患者では、PDGFRB遺伝子の特異的な遺伝子変異を呈することが知られている。同じ遺伝子の別変異で、本疾患と全体としては異なる表現型を呈するが、臓器によっては似た表現型を呈する。本患者で頭部MRI上で脳室周囲に異常シグナルを認め、PDGFRB遺伝子は脳血液関門の構成細胞である周皮細胞のマーカーであり、脳血液関門の部分的な破綻が生じていると考え、脳関門を構成する周皮細胞、血管内皮細胞に分化誘導した。 また本遺伝子の体細胞変異により、脳動脈瘤が生じることが2019年に報告された。本患者にも画像検索で、心臓冠動脈瘤、脳動脈瘤が認められている。これらの動脈瘤において、異常出現部位としてpericyteも関与している。 健常者由来iPS細胞より、CD31 ,vWF陽性血管内皮細胞を分化誘導により確認できた。患者由来細胞よりは分化誘導効率が低く、作成過程におけるsphere形成能が低いことがわかった。 iPS細胞よりsphere形成を行う際に用いる培地を変更することで、sphere形成効率が上昇することがほかの研究データより分かっており、現在あらたな培地を用いたsphere形成を試みている。また患者由来細胞より、周皮細胞への分化誘導の作成に成功した。分化誘導した細胞について、分子細胞生物学的な解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目標としてた、健常由来iPS細胞より血管内皮細胞および周皮細胞への分化誘導に成功した。また患者由来細胞も同様に分化誘導を行い、誘導効率が低いことを明らかにした。現在は、さらに実験をすすめ、培地を変更し、分化誘導効率を上昇させることを試みている。また当初2年目として計画していた分化誘導した健常人および患者由来周皮細胞を用いた遊走解析をすすめているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、患者iPS細胞由来血管内皮細胞の分化誘導効率の上昇を進める。分化誘導した周皮細胞、血管内皮細胞を共培養し、tight junction マーカー(claudin5, occuludin)を指標として血管内皮細胞の結合を比較し、脳血液関門の異常について調べる。 患者および健常者由来周皮細胞の違いについて、われわれが構築しているxCelligence機器を用いた経時的なtranswellアッセイ、IncuCyte機器をもちいたwound scratchアッセイ、timelapse顕微鏡を用いた個々の細胞の遊走アッセイを行い、患者特異的な表現型の探索をおこなう。また誘導した細胞について、RNA-seqによる遺伝子発現解析を行う。患者群、健常者群を比較し、解析に焦点をあてる部位を絞る予定である。
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